長崎大学がコロナ薬治験へ 抗エイズ薬の有効性確認 無症状・軽症者向け

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 長崎大は10日、新型コロナウイルス感染症の無症状や軽症者の治療薬として、抗エイズウイルス(HIV)薬ネルフィナビルの有効性を確認する医師主導治験を今月、始めると発表した。同大を中心に関東、関西の大学や病院計4機関と共同で進める。
 同薬については、国立感染症研究所などのチームが基礎研究で有効性を確認している。同大によると、同薬を臨床的に検証するのは初めて。基礎研究では他の治療薬候補に比べ効果が高く、内服薬で無症状者らの治療に向いているため着目した。厚生労働省の補助事業に6日採択され、研究費は1億円。
 来年3月末にかけて、無症状や軽症の成人患者60人に投与し、対症療法の60人と比較する。投与期間は最長14日間で陰性化までの日数、重症化の抑制効果、安全性を評価する。
 研究に参加するのは東京大医科学研究所、埼玉医大、国際医療福祉大、大阪市立十三市民病院の4機関。
 研究代表者で長崎大学病院呼吸器内科の宮崎泰可講師は「効果が認められれば自宅や宿泊施設での療養をより安全に推奨できる。治療薬開発につながることを期待している」と述べた。
 同大は新型コロナウイルスの抗原タンパク質をつくる「メッセンジャーRNA」を作成し、免疫を強く活性化する吸入型ワクチンの開発も進めている。日本医療研究開発機構(AMED)の採択事業で来年3月末までに、動物レベルでワクチンを開発。結果が良ければ資金を募り、1、2年かけて安全性試験、臨床試験に入る。