NLSニュルブルクリンク耐久シリーズの第2/3戦は連戦。それでも140台以上が参戦

 2020年から名称が改められたNLSニュルブルクリンク耐久シリーズは、7月11日〜12日に、43年間のシリーズ史上初となる2日連続4時間耐久レースが開催される。今季は新型コロナウイルスの影響により、レースカレンダーの大幅改正が行われたが、他のイベントとの調整の関係による連戦となっている。

 開幕戦では例年よりも少ない140台のエントリーとなったNLSだが、7月11日に開催の第2戦は155台、翌12日の第3戦5は144台のエントリーが集まった。特にFIA-GT3車両のSP9クラスには、開幕戦を欠場していたシュニッツァーのBMWや、ランボルギーニを走らせるコンラッドの名がふたたび並んだ。

 また、ファルケン・モータースポーツは今季初めてポルシェの2台体制となり、2007年ファルケンカラーのマシンをドライブするピーター・ダンブレックは、昨年までのBMW M6 GT3からポルシェにスイッチした今季も乗り込む。

 さらに今季、ニッサンGT-RニスモGT3からポルシェ911 GT3 Rにスイッチし、2台体制でニュルに挑むKCMGは、ロマン・デュマやパトリック・ピレ、リヒャルド・リエツら、ポルシェワークスドライバーのベテランが名を連ねた。

 SP10クラスでは、開幕戦と同様、トヨタGRスープラGT4を走らせる『ノーベル・レーシング・ウィズ・トーヨータイヤ・バイ・リングレーシング』として参戦するノーベルとトーヨータイヤのニュルプロジェクトだが、SP8クラスにはレクサスRC Fもエントリー。日本人スタッフやドライバーが現在も渡独できない状況だが、重要なタイヤのデータ収集やセットアップの面で、チーム在籍の経験もあるドミニク・ファーンバッハーが助っ人を買ってでた。

 また、2019年11月にBMWがジェントルマンドライバー用に新規開発し、誰もがMの正規ディーラーで購入できるレーシングカーとして話題を集めているるBMW M2 CSレーシングは、ワーケンホルストから1台がエントリーし、M2 CSクラスでNSLデビューレースを迎える。現在はまだ一般カスタマーへのデリバリーはされていないだけに、クラスは1台のみだ。

 開幕戦同様、引き続き第2/3戦ともに新型コロナウイルス禍の特別ルールで開催されるNLS。無観客で開催され、ファンのパドック入場禁止はもちろん、ノルドシュライフェはフェンスで出入り口がすべて閉じられ、全区域が立ち入り禁止となり、セキュリティが対応にあたる。

 ドライバー、およびチームやオフィシャルはマスク着用義務があるほか、各チームの参加人数の大幅制限、参加者全員の連絡先の提出を定義としている。数多くのチームがエントリーし、オープンエアピットだけでは手狭になったため、GT3マシンのSP9クラスのチームは通常のピットに設営をすることになった。

 コロナ禍の厳しい状況にも関わらず、さまざまな専門機関や行政機関の尽力の下で、6月27日に予定どおりに開幕戦を迎えたNLS。開幕戦の予選ではマーロ・エンゲル駆るメルセデスAMG GT3が8分を切るタイムをマークし、エボリューションモデルの実力を発揮。決勝でも逃げ切るかと思われたが、レース後半で受けたペナルティによりワーケンホルストのBMWが今季初勝利を挙げるなど、話題を集めた。

 今回は第2/3戦にエントリーをしている大半のチームが2日連続の4時間耐久レースをこなすとあり、どんなレース展開となるのか気になるところだ。土日連続となる4時間耐久レースは、通常どおり現地時間8時30分~10時00分までが予選。12時(日本時間19時)にレーススタートとなる。日本からもNLSオフィシャルサイト(https://www.nuerburgring-langstrecken-serie.de)やYoutubeで無料ライブストリームが視聴可能だ。

NLS第1戦でのオープンピット。中央が“ピットレーン”となる。
NLS第1戦でのオープンピット

© 株式会社三栄