妊娠は、幸せなだけじゃない。波乱万丈マタニティライフ「あなたに会える、その日まで」全話総集編

©東京カレンダー株式会社

新しい命をお腹に宿し、赤ちゃんとともに過ごす十月十日。

女性だけが味わえる、とても神秘的で尊い、特別な日々だ。

花冠をつけて、マリア様のようにやわらかく微笑むマタニティーフォトの裏側には、さまざまな物語がある。

不妊治療、つわり、切迫流産、早産、体重管理、噛み合わないバースプラン。

ホルモンバランスで乱れる情緒に、産後の不安。

たくさんの笑顔と涙に彩られるマタニティーライフ。

あなたに会える、その日まで。

「あなたに会える、その日まで」一挙に全話おさらい!

第1話:結婚5年目33歳。待望の妊娠。幸せと同時に訪れた違和感とは?

「今回の検査結果ですが、陽性反応が出ています」

思いもよらない言葉に、優はすっとんきょうな声を上げてしまった。

「え??本当ですか?」

目の前に座る無愛想な男性医師は、ニコリともせずにこう反応した。

「嘘を言うはずないでしょう」

たしかに、その通りだ。ただ、優は今回は…いや、今回もどうせダメだと思っていたのだ。

第1話の続きはこちら

第2話:「おめでとうなんて言わないで!」妊娠初期の妊婦にプレッシャーをかける言葉とは

生理二日目を超えるような出血量と、下腹部の鈍い痛み。良くないことが起きているのは、確実だった。

―もしかして、赤ちゃんダメ?流産なの?

最悪の事態を想像するだけで、心臓の鼓動がどんどん早まり、血の気が引いていく。急いで車に乗り込んだものの「ダメかもしれない」という悪いイメージに感情が支配され、亮介の前向きな励ましがまったく心に響かない。

「大丈夫だよ。赤ちゃん絶対無事だから。信じよう」
「そう思いたいけど…」

第2話の続きはこちら

第3話:「こんな話ができて嬉しい」10歳以上年の離れた女たちが、仲良くなれた理由

入院患者用のラウンジのテーブルで仕事をすることが多くなるうち、優には気軽に会話できる妊婦仲間が増えてきた。

特に親しくなったのは、隣のベッドの浦野夏実だ。夏実は42歳のいわゆる超高齢出産で、重症妊娠悪阻というひどすぎるつわりによって入院をしている妊婦だった。

病院食を食べることはおろか、他の患者の元に運ばれてくる食事の匂いですら嘔吐してしまう。水を飲んでも吐き、吐くものがなくなると喉が切れて血を吐き…という苦しみと戦っていた。

隣のベッドの優は、カーテン越しからでもわかるその凄惨な様子があまりにも気の毒で、思わず励ましの言葉を掛けたのが交流のきっかけだった。

第3話の続きはこちら

第4話:「まさか、こんなものが送られてくるなんて…」”初孫フィーバー”の母からの驚きの贈り物

「重たいのでお部屋まで運びますね」

配達員はそう言うと、背後に立っていたもう一人の配達員と2人で荷物を運び込もうとする。重さはマットレスの比ではないのか、男性2人で持ち上げるのがやっとのようだ。優が慌てて伝票を確認すると、そこに記されていたのは母の名前だった。

「お母さんから?」

嫌な予感に、体が硬直する。大荷物を汗だくで運んでくれている配達員を無下にもできないので、ひとまず、リビングまで運び入れてもらった。

第4話の続きはこちら

第5話:「夫のお母さんが大好き」と語る妊婦が唯一、苦手な相手とは

―この子の人生は、この子のもの。

お腹に赤ちゃんを宿した日から、優はまるで自分に言い聞かせるように、お腹に語りかけている。

先ほど悦子と噛み合わない会話をしたせいか、お腹が少し張っているような気がした。しかし、LINEの通知を告げるスマホを見た途端、優の心がホッと安らぐ。

突然のLINEの送り主。それは、大好きな姑・亜沙子からだったのだ。

第5話の続きはこちら

第6話:「里帰り、しなくてもいい?」その一言が言えない妊婦の悩み

―玉木先生になら、安心してお産を任せられるのに…

瞬間的に、優はそう思っていた。しかし、たしかに以前、玉木医師にも里帰り出産の可能性を伝えていたことを思い出す。

「そろそろご実家の方で出産する病院見つけないとね。早くから妊婦健診に通っていないと出産を受け入れてくれない病院もあるし、次までに探しておいてね。紹介状書くから」

「あ、あの、ちなみにこの病院で出産ってなったら…」

第6話の続きはこちら

第7話:「実は、俺…」仕事中毒の夫が、妊娠中の妻に告げた決意。そのまさかの内容は

責任感が強く、残業や休日出勤も当たり前の状況でも仕事の手を抜くことはない亮介が、今では心身共に疲れ切っているように見える。

そして今、なぜか昼過ぎに帰宅して意気揚々と瞳を輝かせている姿は、どう見ても何かあったとしか思えないのだった。

「亮介?話って?」

胸騒ぎを抑えながら優は、はじめての胎動に大はしゃぎする亮介に問いかける。そしてその質問に対して亮介は、お腹の子に話しかけるように、こう宣言したのだった。

第7話の続きはこちら

第8話:「本当は私、妊娠してるの」職場での告白に、同僚たちが見せた意外な反応

「みんな聞いて。実は私、妊娠しているんだ。安定期に入ったから報告しようと思って」

全員が手を止めて、優の方を向く。

「…入院も、実は切迫流産だったんだ。だから、なかなか言えなくて。予定日は12月だよ」

緊張のあまり、少し声が震えていた。だが、誰も優の言葉に返事をしない。あまりの反応のなさに不安になった優は、焦ってみんなの顔を見渡した。

―え?もしかして隠してたこと怒ってる?

第8話の続きはこちら

第9話:「妊娠中の旅行は不安」落ち込む妻に、夫が提案したサプライズとは

「そういえばさ。うちの会社の妊娠中の社員が、今度の連休旅行に行くんだってさ。飛行機に乗って、沖縄に」

「え?旅行?飛行機で?!」

「安定期に入ったし、旦那さんと2人でゆっくり旅行に行く機会もこれからないからって。どうやら、マタニティー旅、“マタ旅”なんて言葉も流行っているらしくて、妊婦さん向けのプランを出してるホテルも多いんだよ」

たしかに優の周りでも、安定期に入ってから旅行に行く妊婦は少なくない。妊娠中という貴重な時期に思い出づくりをしたい気持ちは、わからなくもなかった。

第9話の続きはこちら

第10話:「お腹の子の性別、知りたくないです」産婦人科で宣言した夫婦の本心

初めての赤ちゃんを迎えるにあたって、優と亮介のバースプランに、新たな項目が追加された。

「赤ちゃんの性別は聞かない」

お腹の赤ちゃんは、逆子が治ってからも結局”隠し続けて”いる。その様子を玉木医師とエコーで見ながら、「もしかしてサプライズ好きな子?」と、夫婦で笑ったのだ。

「先生、こうなったら生まれるまでのお楽しみにします。ねえ、亮介」
「そうだな。赤ちゃんもきっとサプライズをしたいんだよ。その計画に乗ろう」

第10話の続きはこちら

第11話:「父親は授乳に口出ししてはいけない」育休中に夫に突きつけられたタブー

表情を引き締めた優がオフィスのドアを開けると、目に飛び込んできた光景のは予想もしない光景だった。

「え?…すごい…」

優は思わず言葉を失う。

カラフルな風船でオフィス内に飾り付され、中央には大きなダイパーケーキ。かわいらしいテーブルセッティングには、ベビーグッズ型のアイシングクッキーなどのたくさんのおやつ。その横にはプレゼントの山。

アルファベット型の風船の文字は、「BABY SHOWER」と書いてある。産休に入る優をオフィスで待っていたのは、嬉しいサプライズのベビーシャワーパーティーだったのだ。

第11話の続きはこちら