出所者自立支援施設が建て替え 長崎、交流スペース新設

寮生が暮らす部屋。全室南向きで窓から美しい自然が眺められる=長崎市、長崎啓成会

 少年院や刑務所を出た人を一時的に受け入れ、自立を支援する更生保護施設「長崎啓成会」(長崎市田上2丁目)が現地で建て替えられた。地域の人が会議などで利用できるスペースも新設した。
 同施設は1906年に長崎監獄看守の故・塩山宗市氏が同市内の自宅を開放したのが始まり。その後、同市内を転々とし、先代の建物は71年に現在地に建てられたが、老朽化のため昨年8月に解体。公益財団法人JKAなどの支援を受け今年6月に完成した。
 建物は地上3階建て。20部屋あり、全室南向き。部屋は以前の倍近くの広さになり、浴室も広いスペースを確保した。バリアフリーにも対応。地域交流スペースは約60人が収容可能で、打ち合わせや面談など多様な使い方ができる。
 川内哲也施設長は「多くの支援を得て立派な施設ができた。寮生にはバックアップしてくれる人の存在を意識し、これからの人生を前向きに歩んでほしい」と話した。

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