クラスターへの発展否定せず 長崎みなとメディカルセンター コロナ院内感染

記者会見する長崎みなとメディカルセンターの門田院長(中央)と田上富久市長(左)=長崎市役所

 長崎みなとメディカルセンター(長崎市新地町)に勤務する医療職の20代男性と高齢の男性入院患者の新型コロナウイルス感染が確認されたのを受け、同センターと同市は12日、会見を開き、2人はセンター内で接触があり、院内感染したとの見方を示した。男性職員は、3日に感染が確認された長崎大学病院の20代男子実習生と6月28日夜に会食していたことも明らかにした。センター内でクラスター(感染者集団)に発展する可能性は「ある」とした。

 男性職員と接触があったとみられる患者や職員160人のうち、111人については検査結果待ち。このうち、職員1人に発熱の症状がある。残る49人の検査も順次進める。
 一方、10日に感染が判明したセンターの医療技術職の20代女性について、接触した可能性が高い患者や職員80人を検査したところ、全員が陰性だった。この女性職員は、感染が分かった男性職員や男子実習生との接触はなかったとしている。市保健所は、感染した職員の立ち寄り先などの行動歴や感染源を調べている。
 センターで感染が確認された3人は、いずれもセンターに入院。女性職員と男性職員は軽症、入院患者は肺炎を発症し中等症という。
 感染確認に伴い、センターは心臓血管外科、心臓血管内科、糖尿病・内分泌内科、腎臓内科に加え、小児、新生児系を除く救命救急の外来受け付けを当面中止する。門田淳一院長は「病院機能を維持しながら、全力を挙げて拡大防止に努める」と述べた。


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