【カープ】打撃 絶好調!覚醒の時を迎えた堂林翔太選手

「自分の中でも“出来すぎ”な部分が多い」。照れくさそうに話すのは、そのバッティングセンスと甘いマスクでプリンスと呼ばれる堂林翔太選手。今シーズン絶好調の打撃について聞かれ、そう答えた。

広島ホームテレビ『ひろしま深掘りライブ フロントドア』では、プロ11年目の堂林選手をフカボリ。打撃好調の理由や今シーズンにかける想いを、遠征中の7月1日にリモートでインタビューした。

キャンプから存在感を発揮し、好調を維持している堂林選手。今シーズンは6年ぶりに開幕スタメンをつかむと、2試合目となる6月20日のDeNA戦には4安打の固め打ち。さらに6月25日の巨人戦で放った特大の1号アーチは、実に1121日ぶりとなるホームランとなった。

打撃.412 、本塁打2本(7月4日O.A.時現在)と覚醒の時を迎えたと呼び声の高い好成績に「まだ始まったばかりだが、春のキャンプからずっとやってきたことの成果が少しずつ出ているのかな」と話す。

ホームランは1本目もさることながら、2本目も驚愕。6月28日の中日戦。1アウト1塁の場面で、インコースのボールをバックスクリーンの横まで運んだ。その一撃にSNS上では「堂林のホームラン半端ねぇ」「え︎あれで入るの︎」「今のホームランにする堂林エグすぎ」などと、驚きの声が飛び交った。

「自分が一番びっくりしている。まさか入るとは」と本音をこぼす堂林選手。「カウントが3ボール・2ストライクで一塁ランナーがスタートを切ったので、とにかく三振だけは避けて最悪2アウト2塁を作れればと、打席に入った結果」と振り返る。

実は今シーズン放った2本のホームランに、打撃好調を紐解くヒントがある。それは「対右投手」と「フルカウント」。2本とも右ピッチャー相手に2ストライクと追い込まれながら、3ボールまで粘り、うまれた一発だった。

「ボール球を振ることが減っているので、そこが(好調の)一番の要因かなと思う」と自身を分析。今まで苦しんでいた右投手の外のスライダーが、少し苦にならなくなったという。さらに「これまで対左投手で起用されることが多かったが、今では右投手で試合に使ってもらえるので、そこを打っていけば自分の幅も広がっていくかなと思っている」とも。

今シーズン相手ピッチャーの左右に関わらず、スタメンに名を連ねる堂林選手。簡単にボール球を振らなくなったことで、三振を奪われる確率が2019年以前の.251から今年は.139(7月4日O.A.時現在)下がった。また右ピッチャー相手にも打率.462 本塁打2本(7月4日O.A.時現在)と好結果を残している。

2012年、プロ3年目で輝きを放ってから8年。悔しいシーズンを過ごしてきた堂林選手が、新生佐々岡カープで再び花開こうとしている。

「今年はコロナの影響で準備期間も長かったので、やれることはすべてやった。これでもしダメだったらって気持ちで、今年は入った」と、柔らかい物腰ながら、強い覚悟でシーズンを迎えた鯉のプリンス。このままプリンスらしく、輝いてシーズンを突っ走ってほしい。

広島ホームテレビ
ひろしま深掘りライブ フロントドア(土曜13:00)7月4日放送
ライター 湯谷葉子

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