宮崎市で母娘2人感染、再検査タイミング適切 峰松俊夫医師(県医師会理事)

 新型コロナウイルス感染の県内19、20例目となった宮崎市在住の母娘は、1回目のPCR検査で陰性となった6日後の12日、再検査で陽性が確認された。検査やウイルスの潜伏期間について、県医師会理事の峰松俊夫医師(ウイルス学)に聞いた。
 PCR検査は咽頭のぬぐい液やたんに含まれるウイルス特有の遺伝子配列を増幅し検出する。父親の40代男性が発症した今月3~5日に2人とも感染したとみられるが、日が浅くウイルスが十分な量まで増えていなかったため、(1回目の検査の)6日時点では陽性にならなかったのだろう。
 諸説あるが、コロナの発症は平均で感染5日後、その1、2日前からウイルスを排出すると言われる。2人は現在も症状がないため、感染直後の3~5日は人に感染を広げるような状態ではなかった。2人の濃厚接触者はおらず、小学校の休校もしないという判断は妥当。再検査も適切なタイミングだったと思う。
 濃厚接触者が2週間、外出自粛を求められるのはこうした潜伏期間を考慮してのこと。保健所の指示をしっかり守ってほしい。
 2人は陽性確認までの期間、親族に生活をサポートしてもらっていたようだが、1人暮らしの高齢者や学生、留学生らが濃厚接触者となった場合の支援の在り方なども考えておく必要がある。
 東京都や隣県の鹿児島県でも感染が急増している。とりわけ、同県は県民の生活圏が重なる地域が多い。無症状の感染者がいると想定して、マスク着用や手洗いの徹底を意識してほしい。

© 株式会社宮崎日日新聞社