国交省、住生活基本計画の中間とりまとめ案たたき台

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国土交通省が6月26日に開いた社会資本整備審議会住宅宅地分科会で、住生活基本計画(全国計画)の中間とりまとめ案のたたき台を示した。

住生活の中長期の在り方を示す「住生活基本計画(全国計画)」はおおむね5年ごとに見直される。現行計画は来年3月で見直しから5年を迎えるため、昨年から議論を始めた。住生活をめぐる状況の変化を踏まえ、「居住者の視点」と「ストックの視点」、「まちづくりの視点」及び「産業・新技術の視点」に関する個別論点などを有識者などで議論。それを踏まえて、中間とりまとめ案のたたき台を示した。

「居住者」の視点では、子育て世代に対して、▽職住近接・融合や職育近接、同居・近居などの子育てしやすい居住環境の実現▽家事負担を軽減し、子育てしやすい良質な住まいの整備などを挙げた。具体的施策のイメージとして、▽子育て支援施設やコワーキングスペース等を併設する公的賃貸住宅の整備▽空き家を活用した住宅地への子育て支援施設やコワーキングスペース等の設置▽親子のふれあいや家事負担の軽減、在宅勤務との両立に資するリフォームの実施―を示した。高齢者関連では、住み慣れた地域で自立して暮らし続けられる住生活の実現に向けて、ヒートショック対策などの観点も踏まえた、高齢者が安心して住まえるバリアフリー性能・良好な温熱環境を備えた住宅の整備や、高齢期に備えた早めの自宅改修や住替え等を促す環境整備などを検討の方向性として挙げた。住宅確保要配慮者へは福祉と住宅の垣根を越えた支援を示した。

「ストック」の視点では、住宅市場の需給動向や購入者のニーズを踏まえた住宅ストックの形成や長期優良住宅、ZEHなどの良質な住宅の普及などを検討。維持管理からリフォーム・建て替え・流通を通じた良質な住宅ストックの循環サイクルの構築、戸建住宅が適切に管理され、「負動産」とならずに資産として活用できる仕組みの構築などを挙げた。具体的施策のイメージとして、買い取り再販やリースバック、リバースモーゲージによる資産としての住宅の利活用などに触れている。

「まちづくり」の視点では、災害に強い住まいの実現、災害危険エリアから安全なエリアへの住宅立地の誘導など速やかな住まいの確保による被災地の復旧・復興や、住宅・住宅団地のレジリエンス機能の向上など。「産業・新技術」の視点では、新型コロナによる急速なテレワークの広がりなどを踏まえた住まい方の変化も、検討の方向性として言及。住戸内でのテレワーク用のワークスペースの確保、コワーキングスペースなどを併設する公的賃貸、住宅の整備などを具体的施策イメージに挙げた。

同分科会は近く中間とりまとめを行う。これを踏まえ、10月にまとめる全国計画の骨子案に向け、議論を重ねていく。