長崎みなとメディカルセンターでクラスター発生 感染計8人に 患者受け入れ全面休止

院内で新型コロナウイルスのクラスターが発生した長崎みなとメディカルセンター=長崎市新地町

 長崎市と長崎みなとメディカルセンター(新地町)は13日までに、センターの職員3人と入院患者2人の計5人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。11日までに確認された職員2人、入院患者1人と合わせ、センター内で確認された感染者は計8人となった。センターは、院内でクラスター(感染者集団)が発生したとして、12日から当面の間、緊急を要するなどの一部を除き、患者の受け入れを全面的に休止することを決めた。
 センターを運営する市立病院機構の片峰茂理事長は12日、市役所で記者会見し「全ての診療をストップし、市民の命と健康を守れない事態になった」と陳謝。「センターにとって最大の試練だ。感染拡大の全容解明に努める」と述べた。
 12~13日の間にセンターで感染が新たに確認されたのは▽20代男性医療職▽40代男性医療職▽20代女性医療職▽70代女性患者▽80代男性患者-の計5人。いずれも同じ病棟内で感染したとみられ、無症状または軽症。センターは引き続き職員の検査を進める。
 センターと市によると、3日に感染を確認した長崎大学病院の20代男子実習生と、11日に感染が確認されたセンターの20代男性医療職が、6月28日夜に市内の会員制飲食店で食事をしていた。市は今後、飲食店に登録している、ほかの会員の検査にも乗り出す。
 センターの感染者向け病床16床のうち8床が埋まった。センターは当面の間、原則として院内で確認された感染者のみ受け入れる方針。一般診療を全面休止することもあり、長崎医療圏(長崎・西海両市、西彼時津・長与両町)の協力医療機関に患者を受け入れてもらう方向で調整している。
 センターは県を通し、政府に専門家の派遣を要請。14日には国立感染症研究所感染症疫学センターの医師がセンター入りする。
 また、市がJR長崎駅西側に整備しているMICE(コンベンション)施設建設工事の関係者に感染疑いがあるとして、13日から工事を停止している。

 


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