「うつっていないか」 通院者ら不安、戸惑い みなとメディカル クラスター

 長崎みなとメディカルセンターでのクラスター発生の発表から一夜明けた13日、通院患者や市民からは不安や戸惑いとともに早期収束を願う声が聞かれた。
 センターで近く出産を予定していた20代女性は「まさか自分がかかっている病院で…」と戸惑いの表情を浮かべた。クラスター発生のため転院を余儀なくされ、受け入れ先は決まっていない。「おなかには大事な子どもがいる。自分がうつっていないか心配」。この日、自身もセンターで検査を受け、陽性か陰性かは14日に判明するという。
 小ケ倉町2丁目の無職男性(68)は約10年前からセンターの血液内科に通う。頻度は基本的に6週間に1回。最後の診察は6月下旬だった。「安心して病院に行っていたのに、まさか。病院に対しては疑心暗鬼。自分も大丈夫なのか不安でたまらない」。ここ5カ月で4回診察に訪れ、検温は一度受けたのみ。「これで果たして感染防止の徹底と言えたのか」と首をかしげる。
 夫がセンターの医療従事者として勤務する40代女性は「主人が感染しているかも」と不安を吐露する。風評被害を恐れ、2人の子どもには父親の仕事を口外しないように伝えた。「クラスターが発生してしまったのは仕方ないが、早く収束してほしい」
 60代女性は13日朝、入院中の夫へ荷物を届けるためセンターを訪れた。9日から面会できていない。それ以前の面会時間も10分足らずだったという。「限られた面会時間の中で対策に気を付けていた。病院側も、もっと気を付けてくれていたら」とため息をついた。

 


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