カージナルスの「速球王」ヒックス 2020年の出場を辞退

カージナルスは日本時間7月14日、メジャー屈指の「速球王」として知られる救援右腕ジョーダン・ヒックスが2020年シーズンの出場を辞退したことを発表した。現在23歳のヒックスは糖尿病を抱えており、「ハイリスク」の選手として認定されていた。これまでにヒックスを含む13人の選手が出場辞退を発表しているが、持病により「ハイリスク」と認定され、2020年のサラリーとサービスタイムを得ることができるのはヒックスが初めてである。

カージナルスのクローザーを務めるヒックスは、昨年6月にトミー・ジョン手術を受けており、今年8月以降の戦列復帰が予定されていた。しかし、2020年シーズンの出場辞退を決断したため、メジャーのマウンドに復帰するのは2021年シーズンまで持ち越しとなる。

ヒックスは今回の決断について「僕の決断をサポートしてくれたカージナルス球団とチームメイトに感謝したい。2021年にワールドシリーズを制するチームの一員になれることを楽しみにしている」とのコメントを発表。ジョン・モゼリアック野球部門社長は「我々はジョーダンが今年プレーしない決断をしたことを尊重し、理解している。彼が肘の手術から順調に回復を続け、2021年シーズンのマウンドに戻ってきてくれるのを楽しみにしている」と語り、ヒックスの決断への理解を示した。

ヒックスはメジャー2年目となった昨年、29試合に登板して2勝2敗14セーブ、防御率3.14を記録。昨年のメジャー全体の球速ランキングのうち、最速の104.3マイル(約168キロ)を含むトップ21を独占した。トミー・ジョン手術からのリハビリは順調に進んでおり、今回の出場辞退は持病の糖尿病が最大の理由になっていると見られる。

カージナルスは、ヒックスの出場辞退に加え、セットアップ右腕のジョン・ブレビアがトミー・ジョン手術により今季絶望。クローザー候補のジオバニー・ガジェゴスはメキシコからの夏季キャンプ合流が遅れており、若手右腕のアレックス・レイエスも夏季キャンプの練習に参加できていない。さらに、若手左腕のジェネシス・カブレラは2度にわたって新型コロナウイルスの陽性反応を示しており、ブルペンが整備できないまま開幕を迎えることになるかもしれない。

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