河北抄(7/14):さりげなく置いてあるピアノを、通りすがり…

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 さりげなく置いてあるピアノを、通りすがりの人が自由に鳴らす「駅ピアノ・空港ピアノ・街角ピアノ」のテレビ番組が人気のようだ。

 ロンドン、パリの駅舎、イタリアの観光地などに正体不明、人種も年齢もそれぞれの男女が次々と現れる。好きな曲をジャズ風など勝手にアレンジして、時には鼻歌交じりとなる。

 とても上手なのである。「習ったのは10年ぐらい」と言いながら、ぽんぽんと指を楽しく遊ばせている。楽譜なしの即興演奏は、弾き手の歩んだ人生をのぞかせてくれる。

 さて、日本の風景はと言うと、教則本にある発表会の定番やクラシックの小曲を奏でる人が多い。きれいではあっても、どちらの方に通行人が足を止めるかと言えば、ご想像の通り。

 国際コンクールの審査員は大抵こう言う。「日本の奏者は技術はあるけど、堅くて生真面目。似ているのよね」。個性的でないと言うことか。音楽だけではないのかも。地域社会、企業の文化はどうだろう。良い悪いは別にして。