「コロナに負けるな!」陸上自衛隊中部方面音楽隊がエール

“歌姫”鶫真衣さん熱唱秘話も

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“陸自・中部方面隊の歌姫”として注目を集める陸上自衛隊中部方面音楽隊所属のソプラノ歌手・鶫真衣(3等陸曹)さんが、同隊で指揮を務める柴田昌宜隊長(3等陸佐)とともに、13日、ラジオ関西の音楽番組『三上公也の朝は恋人』に出演。「コロナに負けるな!」というテーマとともに配信している動画撮影に関するエピソードや、6月3日に発売された3rdアルバム「そして、未来へ」に込めた思いなどを披露した。

陸上自衛隊中部方面音楽隊所属のソプラノ歌手・鶫真衣さんと、同隊で指揮を務める柴田昌宜隊長(写真:ラジオ関西)

今年で創隊60年の節目の年となる、中部方面隊と音楽隊。しかし、コロナ禍に見舞われるなか、「どちらもアニバーサリーという感じではなくて、どうやってこの国難を乗り切るかというところにシフトしています」と柴田隊長。例年は年間およそ100回の演奏会を行うなど、精力的に活動していたが、2月末以降はイベントがすべて中止に。

それでも、「音楽隊としても何かできることはないか」(柴田隊長)という思いのもとで、「コロナに負けるな!」の合言葉とともに、自衛隊中部方面隊YouTube公式チャンネルでは、4月末から音楽隊としては初となる映像配信を実施。これまで4回、演奏動画を届けて、エールを送っている。

そのうちの1曲が、朝の連続テレビ小説『エール』主人公のモデルとされている作曲家・古関裕而氏が手掛けた名曲、『夏の甲子園』でおなじみの「栄冠は君に輝く」だ。

西宮市の協力で、鳴尾浜臨海公園野球場で撮影されたなか、“中部方面隊の歌姫”の美声が響き渡った。「本当に素晴らしい、元気が出る曲。私自身も歌いながら、『夏がやってきた』という思いとともに、甲子園球児の熱い戦いとか、いろんなものが思い浮かびますし、本当に元気が出る曲だなと思っています」と、鶫さん。甲子園の土と同じものを使っている球場での歌唱には特別な思いも込めていたという。「甲子園(高校野球)も中止になったりしたのをはじめ、いろいろと今年しかできなかったことが断たれた方がたくさんいますので、そういった方に熱い思いを届けたいなと思って歌いました」と秘話を語った。

陸上自衛隊中部方面音楽隊所属のソプラノ歌手・鶫真衣さん

その「栄冠は君に輝く」も収録された3rdアルバム「そして、未来へ」は6月3日に発売。「夢を描いて生きていくこと、そして、世界の平和を祈って」鶫さん自身がタイトル曲を作詞している。「録音しているときは、こんな世の中になることは想像もしていませんでした……」と率直な思いも吐露した鶫さん。「コロナが起こる前に書いた詞だったのですが、いま聴くと自分自身もすごく心に響くような歌になっているので、たくさんの方に聴いていただきたい」とコメントしていた。

さらに、アルバムには「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」で演奏された奉祝曲「Ray of Water」も収録され、祭典当日に嵐が歌唱を担当した「Ray of Water第三楽章 Journey to Harmony」を鶫さんが歌い上げている。「これは前を向いて生きていこうと思えるような曲で、いろんなことがあるなかでも、『空を見渡していると鳥が飛んでいたり、海は輝いていたり、変わらない景色があるから大丈夫だよ』と寄り添ってくれるような、本当に壮大な曲です。吹奏楽の壮大な音楽とともに(歌うことができ)本当に気持ちがよかった」(鶫さん)。ミュージックビデオでは雄大な自然のなかでの独唱の様子も収められており、これも必見だ。

新型コロナウイルス感染防止を図りながら、少しずつ合奏なども行うなど、活動を継続する中部方面音楽隊。8月7日には、大阪市が主催する「たそがれコンサート」(大阪城音楽堂)で、約半年ぶりに、公の前で演奏を行い、鶫さんの歌も披露される予定だ。このコンサートの入場受付はすでに定員に達して締め切られているが、公演の動画生配信が実施されるという(詳細は大阪市のホームページで案内)。

なお、最後に、番組出演後、柴田隊長と鶫さんは、ラジトピの取材に応じ、音楽隊としての今後への思いを寄せた。以下は、柴田隊長と鶫さんのコメント。

柴田昌宜隊長(3等陸佐)
「(コロナ禍は)今まさに生きている我々としては未曽有の事態というか、経験のないこと。これをどうやったら克服しながらやっていくか、ものすごく人類にとっては大きなことだと思いますが、我々が演奏を届けることで、先の見えないところでも勇気づけたり、みんなで力をあわせながら、この国難を乗り越えていくことに対して、我々音楽隊としてできることというのを模索しながらやっていきたいと思います」

鶫真衣(3等陸曹)さん
「このコロナウイルス(感染拡大)の前には、音楽がいろいろなところで身近にあり、演奏会に行こうと思ったら、自分次第でいつでもいけるような状況だったと思います。ですが、演奏会も行われていなくて、音楽を聴いて元気を出すなど、そういったことも難しくなっていると思われます。でも、そういった今だからこそ、音楽の力や、音楽によって励まされることはすごくあると思いますので。形は今までとは違っても、音楽を発信し続け、『少しでも前を向いて頑張っていこう』と思うような、勇気を与えられたり、そういう歌を歌い続けたいなと思っています」

左からラジオ関西の三上公也アナウンサー、陸上自衛隊中部方面音楽隊所属のソプラノ歌手・鶫真衣さん、同隊で指揮を務める柴田昌宜隊長(写真:ラジオ関西)