新業態店に焼きたてハーバー…崎陽軒とありあけ、横浜駅西口にスイーツ新店舗 

崎陽軒が初めて手掛けたスイーツ店「HB Style KIYOKEN」=CIAL横浜

 「シウマイ」、「ハーバー」という横浜を代表する人気商品を手掛ける崎陽軒(横浜市西区)と、ありあけ(同市中区)が、横浜駅西口に開業した駅直結のJR横浜タワー地下「CIAL横浜」内に、そろって新業態店や新しいコンセプトの店舗をオープンさせた。両社とも注力して開発した新商品を発売し、経営理念に根差した新たな挑戦に取り組んでいる。

 崎陽軒の「HB Style KIYOKEN」は、「食べてきれいになる」がコンセプトのスイーツ店。「崎陽軒らしさ」をスイーツで表現しようと中華デザートの杏仁(あんにん)をベースにしたメニューはすべて、人工甘味料や合成着色料を使わず、「心に優しく、体を元気に、健康と美容を意識した天然素材を厳選した」と同社開発本部の津久井瞳R&D室長。

 特にお薦めは「いままでにないフワッとした食感」(津久井室長)の「杏仁ムース」(390円)と、さっぱりとした甘酒ゼリー入りの「飲む杏仁」(同)で、神奈川県内産のエディブルフラワー(食べられる花)もトッピング。自然な甘さでさわやかな後味は、男性にも好評という。

 同社がスイーツ店を手掛けるのは初めて。「横浜の名物、名所の創造が経営理念。その思いでシウマイを開発した先人の心意気を受け継いだ今の社員が開発した」と、広報・マーケティング部の西村浩明課長。「ぜひ多くの人に味わってほしい」と話す。

 ありあけは、同じフロアに3店舗を同時オープン。鎌倉の高級洋菓子店「レ・ザンジュ」の新業態で、看板商品のモンブランをテーマにした「M.G.by LES ANGES」と、チーズとバターのスイーツ専門店「C.B.study」。そして、「ありあけ本館ハーバーズムーンCIAL横浜店」だ。

 レ・ザンジュの新業態2店は「『人生の感動の場面でそばにいるお菓子』を目指した」と堀越隆宏社長。もう1店舗は、ハーバーのブランド強化を目指す新たなコンセプト「横濱ハーバーワールド」の1号店になる。2001年のハーバー復活後、最初の出店が当時のCIALで、「思い出の場所での新たな挑戦、新たなスタート」(堀越社長)を打ち出す。

 「ハーバーに次ぐ商品を育てたい」と、新食感のソフトクッキー「横濱ハーバームーンガレット」(1個162円)など新商品2種類を発売。「お土産ではなく、地元横浜で日常のおやつとして愛されるようになりたい」と、店内で焼き上げた「焼きたてハーバー」(同216円から)も提供する。実際にサラリーマンや女性が夕方に買って帰る姿も多く見られ、「予想以上の手応え」という。

 同社は「人の役に立つ」が経営理念の一つ。堀越社長は「横浜開港の歴史や文化、物語をお菓子を通じて発信し、地域活性化に貢献したい」と力を込めた。

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