レッドブルF1代表、レーシングポイントを警戒「一時はメルセデスより速かった」

 レッドブルF1チーム代表のクリスチャン・ホーナーは、シュタイアーマルクGPで後方から激しく追い上げたセルジオ・ペレスの速さに注目し、2020年のレーシングポイントに誰もが警戒しなければならない兆候であると述べている。

 ペレスは土曜日の予選ではウエットコンディションで苦戦し、17番手と後方のポジションにとどまった。そのためペレスは日曜に順位を上げていくため、決勝の最初から最後まで力を尽くさなければならなかった。

2020年F1第2戦シュタイアーマルクGP決勝スタート

 ペレスは渾身の走行によって、アレクサンダー・アルボンと4位を争うところまで来たが、オーバーテイクをしようとした際に接触、フロントウイングが損傷して勢いを失った。

 しかしこの走りによって、レーシングポイントの“ピンク・メルセデス”は強力な勢力であり、F1中団のトップであるだけでなく、先頭集団とも争えることが示された。

 レース後、RP20のペースはレッドブルにとって脅威だったかを問われたホーナーは、「誰もがレーシングポイントに不安を抱くようになると思う。レースのある時点では、ペレスはメルセデス勢より速かったのだ」と答えた。

 ホーナーは、メルセデスのバルテリ・ボッタスとペレスが履くタイヤがこなした周回数を考慮すると、ある時点では「ペレスの方が0.3秒から0.4秒速かった」と言う。

「つまり彼らは非常に印象的なペースを見せたということだ。しかしアレックスは素晴らしい走りをして、彼らを後ろに抑え続けた。ボッタスとアレックスが履いていたタイヤが走った周回数を考慮に入れつつ、アレックスのペースを見ると、ダメージを負っていない場合のマシンのポテンシャルに勇気づけられる」

 レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、レース終盤、フロントウイングにダメージを負った状態で走行していた。

 ライバルたちはレーシングポイントのパフォーマンスレベルに明らかに不安を抱いており、そのなかのひとつルノーは、シュタイアーマルクGP決勝の後、RP20への正式な抗議を行った。ルノーはRP20とメルセデスの2019年型マシンW10との類似点を指摘して違法性を主張、FIAはブレークダクトのデザインについて調査することを決めた。

 しかし少なくともFIAの調査結果が出るまでの間は、ライバルたちは速さを持つRP20を相手に戦っていくことになる。

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