防災科研がGISテクノロジーの先進的利用を推進する団体に贈られる「SAG賞」を受賞

2020年7月15日
ESRIジャパン株式会社

GIS(地理情報システム)ソフトウェア国内最大手のESRIジャパン株式会社(※1)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:正木千陽)は、7月13日(月)~7月16日(木)にオンラインで開催中の「第40回 Esriユーザー会」(※2)の席上、国立研究開発法人防災科学技術研究所(以下「防災科研」という)が「SAG賞(Special Achievement in GIS Award)」を受賞したことを発表しました。

世界最大規模の GIS イベントで防災科研が受賞の栄誉
~災害対応組織間での状況認識を統一するGISプラットフォーム~

今年の「Esriユーザー会」は、新型コロナウイルス感染症の影響によりオンラインで40回目を迎え、世界各国から約80,000人が参加しました。「SAG 賞」は、米Esri社が世界30万以上の企業や政府機関、自治体、教育・研究機関の中から先進的かつ革新的なGISの導入および活用によってコミュニティや社会の変革に貢献したと認める団体を表彰するものです。

災害時には様々な災害対応組織が同時並行で活動していますが、そこでの情報共有は、従来、文書や口頭で行われることが多く、情報が正確に伝わらない、行動に活かされないという課題がありました。防災科研の総合防災情報センターでは、災害対応組織がそれぞれ有している情報システムを連携し、保有する情報を相互に共有するためのパイプラインシステムとして、基盤的防災情報流通ネットワーク(SIP4D:Shared Information Platform for Disaster Management)を開発しています。また、共有される情報を一般に公開するWebサイトとして、ArcGIS Onlineをベースとした防災科研クライシスレスポンスサイト(以下「NIED-CRS」という)を構築し、豪雨災害については常時、地震災害については発生後数十分で情報を公開しています。

今回の「SAG賞」受賞は、様々な情報を時空間的に可視化、共有することで、災害対応の意思決定ならびに災害時に被る経済的な損失をどれだけ減らし、回復をどれだけ早めるかという社会全体のレジリエンス向上にも寄与していることが高く評価されたものです。

防災科研 理事長 林 春男 氏(左)と防災科研 総合防災情報センター長 臼田 裕一郎 氏(右)

NIED-CRSの表示例。雨量観測データから算出された浸水発生危険度に、道路・鉄道状況を重畳させたもの。

NIED-CRSに関する詳細はこちら

◆(参考) 2020年のおもな「SAG賞」受賞団体
・エクソンモービル社(米国総合エネルギー企業)
・グランジ保険(米国)
・TD Bank N.A(米国立銀行)
・エコラボ社(米国)
・タンパ国際空港(米国)
・香港政府環境保護部
・シンガポール警察部隊
・フィリピン火山地震研究所
・ウェスト・ミッドランズ旅客交通局(英国)
・INECO(スペインの建設コンサルタント)、他 (順不同)

SAG 賞」受賞者リスト一覧(英文)

※ 1 矢野経済研究所調べ
※ 2 「第40回 Esriユーザー会」=「2020 Esri User Conference」:世界各国から約80,000人が参加。2020年は7月13日(月)~7月16日(木)に、新型コロナウイルス感染症の影響により、はじめてオンラインで開催

【Esri社について】
Esri社(本社:米カリフォルニア州レッドランズ市)は、1969年以来、地理的な視点で考え、計画する力を世界中のユーザーに提供しています。GISマーケットのリーダーとして、Esri社製GISソフトウェアは、米国内の主要200都市をはじめ、各国の政府機関、世界の一流企業350社以上、7,000校を超える大学など、世界30万以上の企業・団体で利用されています。Esri社のアプリケーションは、100万台以上のデスクトップと数千にもおよぶウェブサイト、統合型サーバーで稼働し、世界のマッピングと空間分析のバックボーンを担っています。Esri社は、デスクトップ、モバイル、インターネットプラットフォーム向けの総合的なソリューションを提供するベンダー企業です。(Esri社http://www.esri.com/

【ESRIジャパン株式会社について】
本社所在地:東京都千代田区平河町2-7-1 塩崎ビル
設立:2002年4月
代表者:代表取締役社長 正木 千陽
資本金:5,000万円
URL: https://www.esrij.com/
事業内容:GISソフトウェアの販売、及び関連サービス(保守、トレーニング、コンサルティングサービス)の提供