被爆地域の拡大を 国へ働き掛けるよう長崎市に要請書 協議会

中川部長(左)に要請書を手渡す峰会長=長崎市役所

 長崎被爆地域拡大協議会(峰松巳会長)は14日、長崎市に対し、長崎原爆の被爆地域を爆心地から12キロ圏内全域へ拡大することなどを国に働き掛けるよう求める要請書を提出した。
 協議会メンバー8人が来庁し、山本誠一事務局長が被爆未指定地域で原爆に遭った「被爆体験者」がやけどや脱毛、頭痛、めまいなどに悩まされたという証言を紹介。3年ごとに更新が必要な「被爆体験者精神医療受給者証」の自動更新化、対象疾病の拡大などを求めた。県外に転居した人や胎児は対象外という点も改善を訴えた。
 伊王島で原爆に遭った佐藤郁雄さん(85)は「われわれは体験者ではなく被爆者だ。国は救済しようという構えがない」と語った。対応した市原爆被爆対策部の中川正仁部長は「何とか一歩でも前に進められるよう協議を続けていく」と述べた。

© 株式会社長崎新聞社