スタイリスト・百々千晴が自身に課す“セブンルール”「人生があふれ出るようなスタイリングをしたい」

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視聴者が“今最も見たい女性”に密着し、自身が課す“7つのルール=こだわり”を手がかりに、その女性の強さ、弱さ、美しさ、人生観を映し出す新感覚ドキュメント『7RULES(セブンルール)』。

7月14日(火)放送回では、さまざまなメディアの撮影現場でモデルやタレントの衣装をコーディネートする人気スタイリスト・百々千晴(どど・ちはる)に密着。15年に渡りファッション業界の第一線で活躍を続けている。シンプルかつ飾らないスタイリングで着る人自身の魅力を引き出す、百々千晴のセブンルールとは。

ルール①:リースは1軒につき5分で回る

スタイリストの仕事は、各ブランドのプレスルームに出向き、撮影のテーマに合った洋服や小物を借りていく「リース」と呼ばれる地道な作業から始まる。

1軒につきかける時間は3~5分。理想の洋服が見つかるまで、何軒も駆け足ではしごするのには、着る本人の気持ちを一番に考えた百々の思いがあった。

「一軒ずつの時間を短縮してたくさん回れば、見られる洋服の数も100着が1000着になる。着る本人にとっても選択肢がたくさんあったほうが良いなって。自分が納得のいく洋服を絞り込んで、一番気持ちよく前に出られる状態でお仕事をしてほしいので」と語る。

彼女が心血を注ぎ選び抜いた洋服が、とある日、舞台挨拶のスタイリング現場に並んだ。この日の“着る本人”である大島優子も「百々さんが持ってきてくれる衣装は、私の小さな体のサイズにピッタリ、かつ、すごくバランスがいい。毎回選ぶ時にワクワクします」と声を弾ませた。

ルール②:靴は最後に決める

ファッションブランドのカタログ撮影時、現場には、20パターンの衣装が用意されていた。洋服の組み合わせはすべて事前に決めているのだが、靴に関しては、モデルが洋服を着たあと、その場で百々が選んでいる。

体と洋服がどこまで似合ってるいるか、着た時のバランスを見てから靴を決めるという。足が長く見えるか、キレイに見えるか。靴によって、最終的なバランスを緩めたり締めたり出来る。彼女にとって靴は、全体のバランスを演出する最後のアイテムなのだ。

ルール③:アシスタントとは距離をおく

1980年、徳島県の自然豊かな海沿いの街に生まれた彼女。ネットが普及していない思春期、夢中になったファッション雑誌で、「スタイリスト」という職業に出会った。カルチャーとファッションの勢いが盛んだった90年代、出会ったその時から、「この仕事がしたい」と強く思ったという。

高校卒業後、上京して憧れのスタイリストに弟子入りすると、アシスタントとして3年間、休みなく働いた。その後22歳で渡英。「海外で『私なんて』みたいな見せ方をしていると、放ったらかしにされちゃう。女の子だから控えめにしなきゃいけないなんて、全然思っていない」。そういった価値観は、2年間のロンドン留学によって培われたものだ。

「バリバリ仕事しているところをアシスタントにも見てもらって、働く女性として成長してもらえるのが一番うれしいです」と語る彼女は、常にアシスタントを同行させ仕事のイロハを厳しく教えている。

常に厳しく、遠慮のない言葉をかける彼女だが、それは決して一方的なものではなく、“言い合える関係”を求めている。「『このスタイルでやり通します』って言える女性でいてほしいです。アシスタントの子には特にそう思う」と明かした。期待しているからこそ、アシスタントとは馴れ合わない。

ルール④:毎朝トイレ掃除をする

慌ただしく過ごす日々の中で、彼女が大切にしているのが、毎朝のトイレ掃除の時間。ちょっと嫌なことがあった時に「今日、トイレ掃除して来なかったな」と思うのが嫌なのだと、自宅のトイレを丁寧に磨きながら話す。

自信を持ってスタイリングを届けるために、強い心でいるために、毎日欠かさないこのルールが、彼女にとってお守りのような存在になっている。

ルール⑤:母親業は50点でよしとする

9歳の息子と6歳の娘の母親でもある百々は、仕事と家庭の両立に思い悩むことも少なくないという。

料理はあまりできないけれど、と言いつつ、スマホでレシピを見ながら、子どもたちにリクエストされた「牛のしぐれ煮」を作る。真面目に生きていても上手くいかないことは沢山あるということに、40歳手前になって気付いてきたといい、「子どもに愛情が伝われば、(母親業は)50点でも30点でも良いかな」と、リラックスした表情を見せた。

ルール⑥:人によって態度を変えない

雑誌の春夏特集のコーディネートチェックの現場で、自身の選び揃えたアイテムをプレゼンしていく。他者とのやりとりの際、せっかちな性格が失礼に当たらないよう気をつけているという彼女。

気心知れた友人のカメラマンも「『スタイリストの百々です』、以上。感じが悪いなと思いました(笑)。だけど、その現場を見た時に、全員に対して同じ態度だった」と、彼女の第一印象を振り返る。

本人も「勘違いもいっぱいされているし、いっぱい嫌われているんだろうなとは思っていますけど、それは承知の上で、そうなっちゃってるかも」と、自身を分析する。

「男性と話す時、相手のプライドを傷つけないような言い方をしなきゃいけないっていう世の中の空気が残っていますよね」。そんなジレンマに思い悩みながらも、嫌われることを厭(いと)わず、スタイリングを良く見せるために自分の思いを素直に伝えている。言いたいことを言える状況は、自分で作るのだという。

ルール⑦:年333日デニムを履く

数あるファッションアイテムの中で、彼女が最も愛する“デニム”のスタイリングには特に定評があり、2年前にデニムだけのスタイル本を出版したほど。リーバイス ジャパンの広報を務める土屋さんも「ジーパン1本で、あそこまで女性らしさを引き出せるスタイリング力には、本当に脱帽ですね」と、感嘆の声を漏らす。

シンプルなアイテムだからこそ、履く人の個性が際立ち、その人のパーソナルな部分やライフスタイルが見えるのだという。彼女自身、特別なイベントがない限りは毎日デニムを履き、自分の目指す道を見失わないようにしている。

洋服だけでなく、自身のキャラクター、話し方、考え方、すべてにおいてシンプルでいる、そのためのデニム。

「洋服を着せて、すごくオシャレな人に見せたいというよりは、その人の性格とか良いところが引き出せて、表情に出ていたりとか。人生があふれ出るようなスタイリングをしたい」と話す彼女が、シンプルを追い求める先に見据えるのは、着る人の人生を輝かせるスタイリングだ。

※本文、敬称略

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次回、7月21日(火)の『7RULES(セブンルール)』は、「まこと食堂」四代目店主・佐藤リカ。喜多方で屈指の人気を誇るラーメン店を営む、彼女の7つのルールとは。