東京都がコロナ「感染拡大警報」~「“PCR検査信仰”を捨てないと重症患者を救えなくなる」辛坊治郎が説く

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7月15日、東京都内で新たに165人が新型コロナウイルスに感染していることが確認され、小池都知事は「『感染拡大警報』を発すべき状況だ」と話した。

キャスターの辛坊治郎が同日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、東京都の対応ついて異論を唱えた。

東京、警戒度最高レベル  記者会見する東京都の小池百合子知事=2020年7月15日午後、都庁 写真提供:共同通信社

「PCR検査信仰」が根本的な問題

東京都は15日、新型コロナウイルスの感染者が新たに165人報告されたと明らかにした。7日連続で3桁の水準となっている。これを受けて東京都は15日、感染状況の警戒度を4段階の指標のうち最も高い「感染が拡大している」に引き上げ、東京都の小池知事はこの日の会見で「『感染拡大警報』を発すべき状況だ」と話した。

辛坊)根本的な問題として「PCR検査信仰」というのが非常に深刻だなと思うのです。代表的なエピソードで言うと、4月の初めに、一部の新聞やメディアで「南米のチリという国は、南米でいちばんPCR検査が充実していて、ちゃんと洗い出しているから、チリは感染が抑えられてPCR検査は有効だ」という報道があって、この辺りが原点としてあるわけです。でも、そのチリは、その後冬を迎えて、いま、感染者30万人、死者は7000人という、とんでもないことになっています。世界で、PCR検査で感染者を見つけることが、感染拡大の防止に役に立った例というのは、私の知る限りでは1例もない。結局、医療崩壊の原因というのは、症状が軽い人でも入院せざるを得ないという法制なかで、どんどん入院していたら、そりゃあ、ベッドはなくなるだろうという話です。

本質的なところで、「無症状でも人にうつすから、重要なんだ」という理屈があるのです。全部の無症状感染者を炙り出すことができて、それを全部つぶしていけば、当然、感染予防には役に立つけれども、ごく一部の感染者だけ炙り出して、そこを潰すことに感染拡大抑止に役に立つかだろうか。「第1波を抑え込めたのは、そうやってクラスターを潰していったからだ」といまだに言い張るために、こういう理屈を使っているのですが、結果論からいって、緊急事態宣言と第1波が収まっていったことの因果関係(の薄さ)は数学的にもう、阪大の教授が明らかにしてしまったことなので、突っ込みどころ満載です。

東京、警戒度最高レベル  記者会見する東京都の小池百合子知事=2020年7月15日午後、都庁 写真提供:共同通信社

軽症者の入院による医療崩壊で重症者を救えなくなる

辛坊)我々がいまやらなければならないことを、もっと真剣に考えないと。この病気がどれだけ恐ろしい病気なのか。小池さんは記者会見をやって言うのはいいけれど、どれだけ本気でこの病気が恐ろしくて抑えなければいけないと思っているなら、PCR検査で陽性が出た人間がその後連絡がつかず「追跡調査できませんでした」ということにはならないだろう。本気で止めようとするなら、そこをちゃんとやれよ、という気がします。小池さんを批判するというのではなく、本当に大切なことは命を守ることで、命を守るためになにができるのかということを考えると、この方向性で行って医療が崩壊したら、重症患者を救えなくなるという事がいちばん恐ろしい。軽症者を入院させるのは、まず、とにかくやめた方がいいと思う。まず真っ先に、医療崩壊を防がないと。自分で医療崩壊の引き金を引いてどうするんだという気は正直します。

増山)辛坊さんであれば、このタイミングでは(感染警戒レベルを)引き上げないということですね。

辛坊)ほかの数字も必要ですよ。重症者数ですとか、死者の推移であるとか、いろいろなデータが要ります。