【新型コロナ】劇団員に県費でPCR検査? 黒岩知事ツイート、批判殺到で“修正”

 神奈川県の黒岩祐治知事は15日、ツイッターを更新し、新型コロナウイルスの感染防止対策として劇団員のPCR検査を県費で拡充する方針を示した。これに対し、「優先すべきは医療現場や教育現場では」といった批判のコメントが殺到。同日の定例会見では「検討している」と述べ、軌道修正を強いられた形だ。

 知事は14日夜、神奈川芸術劇場で上演された劇団四季の「マンマ・ミーア」を鑑賞し、出演者を激励した。15日未明にツイッターに「舞台上の感染防止対策をもっと徹底させるために劇団員のPCR検査の県費で拡充する方針を打ち出しました」と書き込んだ。

 フォロワーからは「観る側として本当に感謝です」と歓迎する声がある一方で、「なぜ県費なのか」「黒岩さんの娯楽のために県民は働いているわけではありません」などと厳しいコメントが多く寄せられた。

 知事は会見で都内の劇場でクラスター(感染者集団)が発生したことを踏まえ、「県立の劇場でクラスターが起きたら日本の演劇界が立ち直れないぐらいの衝撃を受けるのでは」と言及。ツイッターの件には「誤解してほしくないのは、他はやらないという意味ではない。充実した検査体制を生かすため、どこの施設でどうやればいいかを総合的に検討していく」と述べ、方針は検討中であることを強調した。

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