自宅待機中に歯科受診 新型コロナ感染の長崎大学病院職員

 長崎大学病院(長崎市)は15日、記者会見し、新型コロナウイルスの感染が14日確認された市内に住む20代の男性医療従事者が、自宅待機中の10日に市内の歯科医院を受診していたと明らかにした。同病院感染制御教育センター長の泉川公一教授は「医療者の行動として問題があった」と陳謝した。
 歯科医院はCT検査のため受診した。同病院は14日、歯科医院の職員や患者計11人を検査し、全員の陰性を確認した。
 同病院によると、医療従事者は、3日に感染が確認された同病院の実習生=20代同大男子学生=を指導していた。3日から2週間の自宅待機となり、4日の検査では陰性だった。会見では、1~3日までの接触が引き金になり、潜伏期間をへて13日の検査で陽性反応が出た可能性を指摘した。
 医療従事者は気の緩みがあったと深く反省しているという。若干の倦怠(けんたい)感はあったが、発熱はなくほぼ無症状。軽症者用の宿泊療養施設に入っている。8日に感染確認された60代の男性入院患者との接触はなかったという。ほかに医療従事者5人が自宅待機しているが、職場復帰前の再検査では全員陰性だった。
 中尾一彦病院長は感染した医療従事者との新たな接触者はおらず、診療体制に影響はないとした。泉川教授は「感染対策が100%ではなかった可能性もある。残念で申し訳ない」と述べた。


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