小さな振り幅で豪快弾 虎ボーアは「バースに近づいてきた」専門家が語る類似点

阪神のジャスティン・ボーア【写真:荒川祐史】

「青い稲妻」こと松本匡史氏は阪神・バースと同時期に巨人でプレー

阪神は15日、本拠地でヤクルトと対戦し、5-9で敗れた。敗戦の中、光ったのは、新外国人のボーアのバットだった。7回には5カード連続となる5号ソロを放つなど猛打賞。現役時代に巨人で活躍し「青い稲妻」のニックネームで人気を誇った元楽天ヘッドコーチの野球評論家・松本匡史氏は「ボーアがバースに近づいてきた感じがします」とかつて伝統の一戦で対戦したランディ・バース氏が“本物”になっていった階段の昇り方と類似していると分析した。

デビューは18打席無安打とつまずいたが、この日の3安打で打率が.309まで上昇してきた。松本氏は各打席を見て「スイングの振り幅が小さくなってきている。ボールを本当によく見るようになってきました。よくバースと比較されていますが、今日見る限りでは近づいている感じがします」と評価した。

7回1死からヤクルト梅野の149キロの直球を振り抜くと打球はバックスクリーン右へ飛び込む豪快な一発。セ5球団すべてから本塁打を放つこととなったが「自分に対する日本人投手の攻めが分かってきている。それに勉強をしている感じはしますね」。何でもかんでも、スイングするのではなく、自分が狙った球に対して、コンパクトにスイングしている印象がうかがえた。

松本氏は現役時代、外野の守備位置から阪神・バースを来日1年目から見てきた。「(バースは)ボール球を振らなくなったし、広角に打てるようになっていった。流しても大きいのが打てるし、そんなに振っていないのに、スイングが速かった」。まだまだバースのようなスケールではないが、この日の打席では、虎の最強助っ人と重なる部分はあったという。

阪神は一夜で最下位に転落。松本氏は5番・ボーアと6番・サンズと外国人が並ぶ打順に疑問を感じた。「連打や連続で出塁しても、足などが使えないと次の打者が打つだけになってしまう。間に動ける選手などを入れてもいいのではないかと思います」。2人の後に打者がヒットで続けばいいが、なかなか作戦も立てられず、線にはなりにくいと指摘した。

「状態も上がってきて、安定もしてきましたから、ボーアを4番に置いて、軸として据えてもいいと思いますね」。ボーアは開幕わずか2試合で4番から外されるなどしてきたが、それはもう過去の話。3割に乗った打率だけでなく、5本塁打、12打点はチーム三冠。浮上のカギはボーアが握っている。(Full-Count編集部)

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