新幹線長崎ルート 「完成が大幅に遅れる」と強い懸念 佐賀アセス拒否に長崎県知事 佐賀県知事との面談含め打開策検討

 九州新幹線長崎ルートの未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)の整備方式を巡り環境影響評価(アセスメント)の手続き入りを佐賀県が拒否したことについて、長崎県の中村法道知事は16日の定例会見で「早期の環境アセス着手を求めてきたが、大変残念」と述べた。佐賀県が今の態度を崩さなければ、整備が進む北陸新幹線との財源確保の議論に乗り遅れるとして「(長崎ルートの)完成時期が大幅に遅れるのではないか」と強い懸念を示した。
 長崎県はこれまで国土交通省と佐賀県の協議を見守ってきた。だが中村知事は会見で、同省やJR九州と相談し、佐賀県の山口祥義知事との面談も含めて打開策を検討する姿勢を示した。
 同省は15日の佐賀県との協議で今月末までの再考を求めたが、同県は拒否する姿勢を崩していない。同省は来月から環境アセス手続きの調整に入れなければ、2023年度の着工を断念せざるを得ないとしており、長崎県が求めているフル規格の全面開業も予定している35年度からずれ込む可能性が浮上している。


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