今こそ芸術に学ぶ ヨコハマトリエンナーレ、17日開幕

会場の横浜美術館(横浜市西区)では、銃問題や人種差別をテーマにした米国のアーティスト、ニック・ケイブによる「回転する森」が来場者を迎える

 現代美術の国際展「ヨコハマトリエンナーレ2020」が17日、横浜市西区の横浜美術館などで始まる。コロナ禍で国内外の芸術祭が中止や延期になる中、世界に先駆けての開催となり、発信するメッセージや運営方法に注目が集まる。

 同展は原則として3年に1度行われており、今回で7回目。同館とプロット48(同区)を会場に、世界のさまざまな国や地域から67組のアーティストが参加している。

 16日の記者会見で、横浜トリエンナーレ組織委員会の近藤誠一委員長は「人類と文明の在り方がこれまでと同じでいいのかという疑問が湧いている今こそ、芸術が持つ可能性や力から学ぶところが大きい。新しい生活がどういうものになるべきか、一人一人が考えるまたとない機会になる」と開催する意義をアピールした。

 感染予防のため、チケットは日時予約制。会場入り口にサーモグラフィーを設置し、マスクの着用やこまめな手指の消毒を呼び掛けるなど、感染症対策の徹底に努める。

 アーティスティック・ディレクターを務めるインド在住の美術ユニット「ラクス・メディア・コレクティヴ」をはじめ、海外在住のアーティストらは来日できず、オンライン会議などを活用してリモートでの展示作業を進めてきた。

 同展のタイトルは「Afterglow-光の破片をつかまえる」。現況や今後の暮らしを示唆するような作品も並ぶ。

 10月11日まで。チケットは一般2千円ほか。同展公式サイトで販売中。問い合わせはハローダイヤル050(5541)8600=午前8時~午後10時。

© 株式会社神奈川新聞社