まずは脱ハンコから…テレワーク推進への課題とは

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TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。6月24日(水)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、明治大学大学院 教授の野田稔さんが“テレワークの推進”について述べました。

◆露呈したテレ環境・デジタル化の問題点

6月19日、政府は押印についてのガイドラインをまとめ、ハンコを押す商習慣がテレワークの障害になっているとし、他の手段で代替できることを示しました。ハンコは本人が文書を作成したことを証明する手段として広く使われていますが、法令などで押印が義務付けられているのは一部にとどまるとのことです。

MCの堀潤は、セレモニー的にハンコを押すことを文化としては認める反面、「実務ではちょっといいかな」と本音を述べると、野田さんも同意。そして、「これを理由に今までテレワーク、デジタル化を妨げていた人が大勢いた」と言います。

しかし、そんな人たちも今回テレワークを強いられ、さまざまな問題が明らかになるとともに、日本のデジタル化が遅れていることが露呈。「明確になった問題を解いていかないと周回遅れがさらに遅れる」と危惧します。

例えば、テレワーク状況下では、「通信料が怖い」、「通話がよく途切れる」、「ZoomやSkypeなどがわからない」などの声があがり、さらには「子ども部屋で仕事をしていたら怒られた」といった日本の住宅事情問題や「家に居場所がない」など家族の肖像も浮き彫りに。総じて野田さんは、「日本の通信環境が全然足りていないことがわかった」と言い、裏打ちする自粛期間中のエピソードを語ります。

それは、大手町の大きなホールで無観客講演会をやったときのこと。その様子を配信しようとするも通信が完全に落ちてしまったとか。「要するに、人を集めて(イベントを)やることは考えているけど、そこから情報発信をすることは全然考えないで作っているから、ホールは大きいけど通信回線は小さい」と野田さん。

◆テレ環境を充実させることで生活がより豊かに

2つ目の問題として「日本人のリテラシー不足」、「アプリ未成熟」を挙げ、特にアプリに関しては「ブラッシュアップしてくれないとビジネス用には耐えない」と指摘。

さらには、「住環境の劣悪さ」も。これは難題ではあるものの、野田さんは「逆に言えば、都心でなく広い郊外に住んで仕事の環境を整えることも可能性としてはある」と示唆します。

そんな問題の一方で、「活用できていた人たちもたくさんいた」と言います。コロナ禍で「Zoom飲み会」が話題になりましたが、野田さん曰く、それは数年前から子どもがいる母親の間では当たり前だったそうで、「今まで移動弱者だった人たちが代替手段でやっていたテレ環境が、今当たり前になりつつある。彼らがむしろニューノーマルになってきている」と主張。そして、これを機に"テレ”が選択肢の1つになることで、「みんながより豊かになる」とも。

実際、多くの企業が緊急事態宣言解除後も在宅勤務をデフォルトにしていますが、野田さんは「それはとてもいいこと」と認めつつ、「本当に進めるためには仕事のやり方なども変えないといけない。そういう意味では"働き方改革のフェイズ2”への背中を押された感じ」と話していました。

野田さんの話を聞き、堀はそもそも戸建てと集合住宅で引けるインターネット回線が違うなどのインフラ面、さらにはソフト面におけるアメリカ、中国企業の脅威を懸念すると、野田さんも大きく頷きます。そして、「ここから加速しないといけない。でないと日本はますます周回遅れになる」と警鐘を鳴らしていました。

番組では、視聴者に「今後もハンコは必要だと思いますか?」というテーマで生投票を実施。結果は以下の通りです。

◆今後もハンコは必要だと思いますか?
必要……681票
実印だけ必要……963票
必要ない……1,392票

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross