浅村VS西武、金子VSオリ… 因縁つきまとう古巣対決、移籍組の相性は?

日本ハム・金子弌大(左)と楽天・浅村栄斗【写真:石川加奈子、荒川祐史】

オリックスの増井は昨季、古巣日本ハムとの相性は最も悪かった

移籍には「古巣対決」がつきものだ。応援していた選手が他球団へ移籍し、複雑な気持ちで試合を見守るファンも少なくないだろう。選手にとっても特別な気持ちで臨むであろう元チームメイトとの対決はどのような結果を生むのだろうか。

今回は2018年、2019年に移籍した増井浩俊投手(オリックス)、金子弌大投手(日本ハム)、浅村栄斗内野手(楽天)、ブランドン・レアード内野手(ロッテ)をピックアップし、2019年シーズンにおける古巣との対戦成績で相性の良かった選手、悪かった選手を紹介したい。

オリックス・増井浩俊と日本ハム打線の対戦成績【画像:パーソル パ・リーグTV】

・増井浩俊VS日本ハム打線

2017年オフに日本ハムからオリックスへFA移籍した増井浩俊投手。移籍2年目となる昨シーズンは史上2人目、パ・リーグでは史上初となる“150ホールド&150セーブ”という偉業を成し遂げたが、不安定な投球内容から、クローザーの座をディクソン投手に奪われるなど悔いが残るシーズンでもあった。

対パ・リーグチーム別成績においては日本ハム相手にワーストの防御率(7.56)だった。近藤健介外野手や西川遥輝外野手、王柏融外野手といった左打者との相性が悪く、右打者の大田にも2本塁打を浴びている。ただ、今季の日本ハム戦は7月9日の試合で2回を投げ、3奪三振無失点のパーフェクトリリーフ。11日も1回を無失点に抑えており、ここまでは昨季とは異なる内容となっている。

日本ハム・金子弌大とオリックス打線の対戦成績【画像:パーソル パ・リーグTV】

・金子弌大VSオリックス打線

2019年に日本ハムの一員となった金子弌大投手は古巣のオリックス打線を完全に封じ込めた。昨季挙げた8勝のうち5勝がオリックスから。京セラドーム、ほっともっと神戸で2試合ずつ投げて計4勝、どちらの球場でも防御率0.00という数字を残し、その相性の良さを見せつけた。また、オリックスから勝ち星を挙げたことで史上18人目の全球団勝利を達成している。

2020年シーズンの対オリックス戦は、7月7日に中継ぎとして登板し、昨年も被打率.364と苦手としていた吉田正尚外野手に被弾するなど2回3失点。11日には「ショートスターター」として今季初先発し2回1失点だった。今年は吉田正選手への苦手意識を払拭したいところだ。

楽天・浅村栄斗と西武投手陣との対戦成績【画像:パーソル パ・リーグTV】

浅村は西武投手陣を得意とし唯一、対戦打率3割超&2桁本塁打を記録

・浅村栄斗VS西武投手陣

2019年から楽天の中軸を担う浅村は西武戦で大暴れした。対パ・リーグチーム別成績を比較すると、打率が3割を越え、2桁本塁打を記録しているのは古巣だけ。昨季、楽天は西武に14勝11敗と勝ち越しており、その理由の一つには浅村の活躍があるだろう。今季は4番としてチームを引っ張る浅村。古巣相手にどのような打撃を披露するか注目だ。

ロッテのレアードと日本ハム投手陣との対戦成績【画像:パーソル パ・リーグTV】

・レアードVS日本ハム投手陣

2019年は新天地の千葉で「釣る・さばく・握る」という新しい寿司パフォーマンスを披露したレアード。ただ、4年間在籍した古巣の日本ハム戦では30三振を喫するなど、苦戦した。札幌ドームでの成績も34打数4安打、打率.118。チームも札幌ドームで10連敗してしまったが、鬼門を克服するにはレアードの活躍も欠かせないだろう。

以上、4選手を取り上げたが、相性の良し悪しがはっきり分かれる結果となった。120試合、同一カード6連戦などイレギュラーな今シーズンだが、早くも「古巣対決」は実現している。楽天からロッテに移籍した美馬学投手は7月5日の楽天戦に登板したが、6回途中5失点で古巣相手に黒星。対してロッテから楽天に移籍した鈴木大地選手は、ロッテ6連戦で26打数11安打1本塁打4打点と活躍した。

プロ野球はまだまだ始まったばかり。古巣相手に好調を続けられるか、苦手を克服することができるか注目したいところだ。これからも因縁の対決から目が離せない。(「パ・リーグ インサイト」下村琴葉)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)

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