ママ友との考え方の違いに“モヤモヤ”したら?  “モヤモヤ”を“モヤモヤ”のままにしない方法

子どもに感情的になってしまって、こんなときどうしたらいいの?……など、今子育てに奮闘しているママさんとパパさんのお悩みに、子育てアドバイザーの高祖常子さんが、その解決のためのヒントを伝授します。第一回目のテーマは、考え方の違うママ友と、どのようにつきあっていけばよいかについて。

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多くの情報で不安が大きくなる

政府から新型コロナウイルスの緊急事態宣言が出されたのは2020年4月7日~5月25日。この期間を中心に、登園自粛や学校休校の要請が出されました。公共施設も封鎖され、自治体によっては公園の遊具も使用禁止に。法的な規制は行われない中でも「買い物は1人または少人数で空いている時間に」「不要不急の外出を控えましょう」というメッセージが流れ続けていました。

TVやインターネットでは、連日感染者数や死者数が報道され、未知のウイルスであることから、さまざまな情報が飛び交いました。ママは自分の身だけでなく、子どもの身近に迫る感染のリスクに、ニュースを見ながらハラハラドキドキしていたのではないでしょうか。

そもそも子育てをするママにとって、子どもの命や健康を守りたいという気持ちは大きくあるものです。次々と出される情報に戸惑ったり、不安になったりするのは、子どもを大事に思っているからこそです。

大きな変化で起こる“モヤモヤ”

感染症や災害など社会に大きな変化のあるときには、平時よりも人それぞれの考え方の差が明確になります。夫婦間はもちろんのこと、同じ子をもつママ友同士でも、ちょっとした考え方の違いが大きな差となって感じるということです。

今までは仲よく遊んでいたのに、子ども同士が一緒に遊んだり、しゃべったりするだけで心配になったり。公園の遊具に触るだけでも心配になり、遊ばせることをためらったり。逆に、あまり気にせずに公園で遊ばせている親子に対して、嫌な気持ちをもってしまうことも。

たとえば自分は我慢しているのに、ほかの人が我慢していないことを見たり聞いたり感じたりして、イライラしてしまったことはありませんか。それは、考え方の違いや、頑張っている自分と相手との間にズレを感じて起きる嫌悪感です。そしてそれが、ママ友との亀裂になってしまうこともあります。

“モヤモヤ”を具体的に考える

“モヤモヤ”がたまると、怒りとして爆発してしまうことがあります。怒りはストレスの爆発ですから、「怒りの前」の気持ちに注目してみましょう。まずは、私の“モヤモヤ”をひもといてみるということです。

「私は何に“モヤモヤ”しているのか?」を、具体的な言葉にして考えてみましょう。なぜ“モヤモヤ”するのか、その理由を紙に書き出して、客観的に見る方法もオススメです。

たとえば、「感染する恐れがあるのではないか」という心配について。心配な気持ちをもつのは悪いことではありません。今回のような感染症の場合は、月日が経つことで状況も変わってきます。ネットにはいろいろな情報が飛び交っていますが、科学的根拠のないものも紛れています。政府のホームページや医師会の発表で、中立な情報を確認してみましょう。

ママ友と私の気持ちを整理する

考え方に違いがあったときに大切なのは「考え方」と「その人自身」を分けて考えること。今まで仲よしだった「ママ友自身」を否定しないことを意識しましょう。

心配の度合い、対策の度合いについては、自分とママ友との気持ちにズレがあるかもしれません。夫婦でも親子でも、もちろん友達でも別な人間。人によって感じ方はさまざまです。だからこそ、お互いの気持ちを尊重しつつ、相談して折り合いをつけましょう。

たとえば「私は室内で遊ぶのが心配だから、遊具のない公園で一緒に遊ばない?」と、理由とともに自分の提案を伝えてみましょう。提案のボールを投げたら、あとは相手がどう受け取って判断するかです。「えー、室内でも換気に気を付けていれば大丈夫じゃない?」と言われたら、今度は自分がその考え方を受け入れられるかを判断すればよいです。

ここでは、「考え方」に対して、YESかNOかを判断することが重要です。「その人自身」のYESかNOだととらえないこと。考え方は人それぞれ、心配の度合いも人それぞれです。もし、自分の出した提案に対してNOと言われても、落ち込む必要はありません。「そう考えているんだね」と、相手の「考え方」として受け取って、整理をしてみましょう。そして、別の方法や工夫をして遊べることがあれば、また聞いてみてはどうでしょうか。

気持ちと対策を整理して考えよう

“モヤモヤ”する気持ちが整理されない状態のままでいると、悩みがぐるぐると頭をめぐり、どんどん大きくなってしまいます。考え方の違うママ友と心地よくつきあうためには、気持ちと対策をしっかり整理して考え、行動できるとよいですね。

著者紹介
高祖常子(こうそ・ときこ)

子育てアドバイザー、キャリアコンサルタント

資格は保育士、幼稚園教諭2種、心理学検定1級ほか。NPO法人ファザーリング・ジャパン理事ほか各NPOの理事や行政の委員も務める。子育て支援を中心とした編集・執筆ほか、全国で講演を行っている。著書は『男の子に厳しいしつけは必要ありません』(KADOKAWA)、『感情的にならない子育て』(かんき出版)ほか。3児の母。

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