侍J稲葉監督「イキのいい選手出てきて」 東京五輪金メダルへ若手台頭を期待

会見に臨んだ侍ジャパン・稲葉篤紀監督【写真:宮脇広久】

メンバー先行は昨年プレミア12のメンバーが土台も「柔軟に考えていかないと」

侍ジャパンの稲葉篤紀監督が17日、来夏に延期となった東京五輪までの契約延長要請を受け、受諾する意向を示した。侍ジャパン強化委員会の井原敦強化委員長が札幌市内で面談し、今年9月いっぱいで切れる契約の延長を要請して快諾した。東京五輪が来年まで1年間延期されたことに伴う措置。稲葉監督は2017年7月に就任し、昨年11月の「プレミア12」では侍ジャパンを優勝に導いた。

面談後にオンライン会見に臨んだ稲葉監督は、現時点で最後の五輪野球競技となっている2008年北京五輪でメダルなしの4位に終わったことを踏まえ、「『オリンピックの借りはオリンピックでしか返せない』という考えに変わりはない。金メダルを獲得するという目標に向かって全力を尽くしていきたい。引き続き“スピード&パワー”でしっかりやっていこうと思います」と宣言した。

代表選手選考に関しては「基本的にプレミア12のメンバーが土台になりますが、本番が1年延期されたので、柔軟に考えていく必要があるのかなと思います。1年かけてしっかり選手を見ていきたい。出場選手数が(プレミア12の)28人から24人に減るということもあり、いろいろ考えていかないといけない」と語った。

新型コロナウイルス禍は収束の傾向がみえず、東京五輪は来年の開催すら危ぶむ声があるが、稲葉監督は「こういう状況は日本だけでなく各国一緒。いろんな想定をしながら過ごさなければいけないと思います」と覚悟の上。1年の延期を「じっくり考える時間を頂けたと思っています。(あと1年で)若い選手、イキのいい選手に出てきてほしい」と努めて前向きにとらえていた。

また、井原委員長は詳細な契約期間・内容についての言及を避けたが、「稲葉監督にはこれまでプレミア12優勝を含め、ステップを積み重ねてきていただいた。そのゴールが五輪での金メダルと考えている」と語った。今後は、チーム編成に加え、コロナ禍で海外チームの受け入れが困難な状況の中で、強化試合の設定などを検討していくことになる。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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