政府、分散型社会と強靭化へ骨太の方針など閣議決定

政府は7月17日、安倍晋三首相も出席し経済財政諮問会議と未来投資会議を合同開催。「経済財政運営と改革の基本方針2020」(骨太の方針2020)と「成長戦略実行計画」をとりまとめ、閣議決定した。成長戦略実行計画で建築ではドローンによる外壁調査が盛り込まれた。また、今後の検討として新型コロナウイルス感染拡大後への対応の中で、テレワークなど新しい働き方の定着などにより、東京一極集中の是正による地方への分散が盛り込まれた。7月後半から未来投資会議の拡大版で話し合われる。

建築基準法に基づく建築物の外壁調査では、一級建築士等がハンマーで打診する方法と比較し、赤外線装置搭載のドローンで同等かそれ以上の精度で問題箇所を検出できるようなら、ドローンでも代替可能にするよう見直す方針。エレベーターのロープの劣化状況検査も、常設の検査用センサーが、目視等と同等かそれ以上であれば代替を認める。

一極集中是正も検討するとした。都市から地方への分散へテレワークの定着や交通ネットワークの整備、防災・減災など強靭性確保を目指す。政府ではこのテーマも含めて、未来投資会議の拡大版にて話し合う予定とした。

骨太の方針でもコロナ後の社会として一極集中から多核連携型の国づくりを打ち出し、スマートシティ化や二地域居住推進を図る。また、防災・減災へ今年度で終わる「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」の集中的実施と、その後も強靭化の深化を目指すとしている。

西村康稔・経済再生担当相は会議後の記者会見で「今回の骨太の方針はデジタルニューディールに加え、防災・減災、国土強靭化も柱である」と説明。さらに「一極集中を解消し、地方創生、成長と分配を図る」と述べた。骨太の方針で掲げた内容について、半年以内に実行計画を作る方針という。

西村・経済再生担当相は、分散型社会や国土強靭化を推進する方針を説明した

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