専用ワーム「フリーリグベイト4.6in」で学ぶフリーリグの超ベーシック!

韓国を起源とし、活躍の場を日本中に広げているフリーリグは様々なフィールド、様々なワームと相性がいいリグとして注目されています。とはいえそこはバスフィッシング。使いやすさやさらなる釣果を求めて日々研究が続けられており、バークレイもフリーリグ用のワームをリリースしています。今回はそのソフトベイト「バークレイ フリーリグベイト」の生みの親、藤浪和成さんに、フリーリグとはそもそも何なのか? そしてフリーリグベイトがいかに優れているのかをお聞きしました!

【Profile】
藤波和成
ふじなみ・かずしげ/琵琶湖でガイド業を営むピュア・フィッシング・ジャパンのプロスタッフで、Xグレイブシリーズを担当している。時にライトに、時にマニアックに、バスフィッシングの面白さや奥深さをゲストに伝える。2015年頃からフリーリグを使い出し、今日まで研究し続けているため、フリーリグに関してはすでに2~3週はしたとのこと(?)。魚に優しい。

藤波さん流フリーリグ概論:ノーシンカー状態がキモ

まず前提として、藤波さんの考えるフリーリグに関して教えて下さい!

藤波「一般的なイメージでもある、テキサスリグの亜種としての説明がわかりやすいと思います。まずフリーリグのメリットですが、テキサスリグと同様のメリットを持っていると考えています。そこにプラスされる特徴が、いわゆるシンカーとワームが離れる現象です」

言わばフリーリグの名前の由来ですよね。

藤波「そうなんです。そしてその離れる長さは、着水直後こそスーッと離れますが、沈んでいく途中で離れなくなっていくんです」

!? 想像と違っていました。

藤波「ではどのくらい離れるのか、というのは一概には言えませんが、例えばウェイトが重いからといって特別離れるわけではなく、また逆に軽くてもしっかり離れてくれるんですよ」

長さはともかく、離れるということはどういったメリットになるんでしょうか?

藤波「ズバリ、シンカーとワームを別々に着底させられるということなんです」

別々に着底…ですか?

藤波「シンカーが着底して、タイミングや場所がズレる形でワームが沈んでくる。もっと言ってしまうと、意図的に好きな場所でノーシンカーフォールを作り出すことができる、というイメージですね」

実は縦ストラクチャー攻略に強い!

というこは、テキサスというよりも、キャロライナリグに使用感は近いんでしょうか?

藤波「そうなんです! ですがキャロよりもリグを組みやすいうえに、キャスティングも容易です。フリーリグはピンスポット狙いでも使いますし、投げやすさは重要になってくるんです」

なんとなくウィードエリアであっちこっちに投げて使うイメージでした。

藤波「もちろんその使い方もありますよ。特にこれからの季節、ウィードが生え揃った場所では広く投げても使いますね。ですが例えば、スポーニングに絡む季節など、魚が地形に固執しているタイミングでは、浚渫のブレイクや縦ストラクチャーなどを狙って投げていくことも多いんです。」

なるほど。縦ストにビシッと投げるならキャロだと不便ですもんね。

水中でワームに起こる変化が口を使わせる!

藤波「ただどちらにしても、共通して重要なのは、シンカーが先に着底して、時間差でワームがフォールしてくること。そしてワームのフォールスピードや姿勢に変化が生じることなんです」

フォールスピードや姿勢の変化、ですか。

藤波「そうです。着水してシンカーから離れたワームは、まずはシンカーの重さに引っ張られながら沈んでいきます」

このときの離れる長さというのには限界があり、ある程度にとどまるというのは先にお話していただいたとおりですね。

藤波「そしてシンカーが着底します。すると、それまでシンカーの重さに引っ張られていたワームは急にフォールスピードが変わるとともに、シンカーから離れるように動いていくんです」

シンカーは止まるけど、ワームは慣性で動き続けると。

藤波「そしてシンカーから離れていた分、ノーシンカー状態で沈んでいくわけなのですが、この姿勢変化が一つの喰わせどころでして、そこにこだわって作ったのが、バークレイのフリーリグベイトなんです」

バークレイ フリーリグベイト(ピュア・フィッシング・ジャパン)

●全長:4.6in ●カラー:全6色 ●入数:8 ●定価:800円

大きなパドルが目を引きますが、シンプルな形ですね。

藤波「シンカーから離れる動きを出すために、余計な抵抗物が欲しくなかったんです。そのため、ロッドワーク時のみに意図的に動かせるパドルと、ザリガニらしさを表現したヒゲだけを付けています。でも実は最もこだわったのは、ボディのリブなんですよ」

かなり深めのリブですね。それとボディに対して斜め方向です。

藤波「まさにそれです! シンカーが着底してスピードが変化したとき、このリブのおかげで横方向にスライドしやすくしてるんです。このおかげで、シンカーから離れた場所に着底する、つまりノーシンカー状態でのフォール時間を長く取ることができるんです。この時の動きの変化はベイトフィッシュのイメージなので、フリーリグベイトは小魚とザリガニ、どちらとしても使える様にデザインしているんですよ」

藤波さんならではのまさしくフリーリグ用ワームなわけですね。

フリーリグベイトはフリーリグの欠点を克服した唯一のルアーだ!

藤波「実はまだありまして、これこそがフリーリグ専用と言わしめるための所以だと思っているのですが、実はフリーリグって魚の下顎にフッキングしがちなんですよ」

そうなんですか? なぜなのでしょうか?

藤波「先述したとおり、水中で姿勢変化したときなんかに、一般的なワームでは針先が下を向きがちで、そのままの姿勢で着底してしまうこともしばしば。そうなると、バスがバイトした時に下顎にフックがかることが多いんです。するとファイト中のバスの口は閉じた状態になりますよね? これってバスが泳ぐ時の姿勢なので、かなり引きが強くなってしまうんです。一方、上顎にかかっていれば、ファイト中のバスの口が空いた状態になって引きの強さは随分ましになるんです」

なるほど。言われてみると、たしかにそんな印象があるかもしれません。

藤波「加えて、フリーリグはバイトの瞬間がわかりにくくてノマれがちです。このとき、針が下向きだとエラを傷つけてしまうことも多いんですよ。フックポイントが下をむきがち。これこそがフリーリグ最大のデメリットだと思っています。ですがフリーリグベイトはその点にも考慮していて、そこまで考えているフリーリグ用ワームは唯一無二だと思います」

何かしらの対策があると。

藤波「両手のパドル部分です。上下でボリュームを変えてあるので、フォールで姿勢変化しても、もう一度姿勢を元に戻してくれる。つまりフックポイントが上向きになりやすくなっているんです。iこれまでにも色々なワームを試してきましたが、それらに比べて、体感的には下顎にフッキングする頻度がかなり下がったように思いますよ」

こうしてフリーリグの弱点を克服したフリーリグベイトは、まさしく専用と謳うに相応しいできになったわけですね。

フリーリグベイトの使い方

ところでこのワーム、フリーリグ意外では使えないんですか?

藤波「もちろん使えますよ。リーダーレスダウンショットとかテキサスではもちろん釣れますし、ノーシンカーセッティングなんかもオモシロイと思います。でも今更それを自分が推すのもあれなので、ぜひ皆さんで色々と試してみてほしいですね(笑)」

フリーリグと組み合わせるときは具体的にどのようにして使えばよいのでしょうか?

藤波「まずはリグのセッティングから行きましょう。フックは#2/0くらいのもので、シンカーは3.5~14gくらいまでを色々試します。フックとシンカーの間には、結び目保護の役割としてゴム製のケイムラ玉を入れています」

シンカーの幅は広いんですね。

藤波「フォール速度の違いで食う喰わないがでることがありますからね。色々な重さを試してみてほしいです。それでは次に操作方法です」

よろしくおねがいします!

藤波「基本動作としてはキャスト→シンカー着底→10秒ほどステイ(ノーシンカーのフォール待ち)→ズルびいてきて何かに触れたらパッパッと跳ね上げ→シンカー着底…を繰り返します。ズルびくとき以外はラインを完全にフリーにするのがポイントです。張らず緩めずでもダメですよ!」

アタリはどの様に出るのでしょうか?

藤波「ステイ中にラインが走ったり、ズル引きしようとしたら重かったり…とかです。そういった変化を感じたら特に送り込まず即合わせでOKです。ちなみに、ウィードに直隙アプローチした際、ボトムの反応が良いようであればばリーダーレスダウンショット、ズル引きの中に喰ってくるのであればテキサスリグに変えるのが正解ですよ」

フリーリグをベースに、その日の魚に有効な釣りを見つけていくことができるんですね。

藤波「そういうことです。フリーリグは難しい釣りを簡単にしてくれるくらいパワーのあるリグです。そんなリグに最適な唯一のワーム、フリーリグベイトを使ってぜひ体験してみてくださいね!」

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