MotoGPスペインGPで初日総合2番手のビニャーレス、レースに向け「ユーズドタイヤでいいラップタイムを刻んだ」

 初戦を迎えたMotoGPクラスの2020年シーズン、第2戦スペインGPで、初日総合2番手タイムを記録したのが、マーベリック・ビニャーレス(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)だ。水曜日の公式テストではトップタイム。さらにさかのぼれば、2月下旬のカタール公式テストでも、総合トップに立っている。

 ビニャーレスはフリー走行1回目では2番手タイム、フリー走行2回目では7番手タイムをマークして初日を終えた。

「今日、特に午前のセッション(フリー走行1回目)はとてもよかったよ。とてもよくグリップして、ラップタイムもよく、問題もなかった。午後(フリー走行2回目)は、特に電子制御などのたくさんのことを試して、暑いコンディションのなかでいい方向に持っていこうとした。すごくいい感じだったと思う。周回ごとによくなった。特に最後のほうでは、ユーズドタイヤでいいラップタイムを刻むことができたんだ」

「もちろん、まだ改善は必要だよ。明日に向けて、新しいアイデアもある。バイクは1ラップでとてもうまく機能していると思う。だから、この方向で継続していきたい」

 フリー走行2回目では、路面温度が51度にまで上昇し、さらに風も強かったという。今季は7月開催となったヘレス。多くのライダーが、この高い気温と厳しい路面コンディションについて言及しているところである。フリー走行2回目は決勝レースの時間帯とほぼ同じであることから、ビニャーレスはレースに向けたシミュレーションも行っていたようだ。

「燃料タンクがフルの状態で、いい感じがあった。もちろん、トップスピードはここでは厳しいだろう。けれど、5コーナーからはうまくいくと思う。グリップが必要だから、オーバーテイクはそう簡単じゃないだろうとは思うけどね」

「タイヤについても、特に問題はなかったよ。ハード、ミディアム、ソフトの組み合わせにも満足している。ソフトはよく機能するけど、どのタイヤを選ぶか、少し注意が必要だね。でもとにかく、バイクが機能しているんだ。すばらしい」

 2020年型ヤマハYZR-M1についてそう語るビニャーレス。ちなみにチームメイトのバレンティーノ・ロッシ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)は総合13番手、また、フリー走行2回目で2番手タイムだったファビオ・クアルタラロ(ペトロナス・ヤマハSRT)は総合15番手だった。クアルタラロは2020年シーズンからファクトリースペックのマシンを走らせているが、初日後のコメントのなかで「僕には2019年よりも難しい」と2020年型マシンについて語っている。対照的なヤマハライダーのコメントが興味深い。

フリー走行2回目では2番手タイムのファビオ・クアルタラロ

 さらにビニャーレスは、予選ではフロントロウを獲得することが重要だと語った。スタートではホールショット・デバイスを使用することも示唆し「僕たちは現時点では、(ドゥカティのように周回中ではなく)スタートでそれを使用する」という。

「フロントロウからスタートして、1周目から攻めて、ギャップを広げることは重要なんだ。特に、1周目はいつも混戦になるから」

 全体をとおして自信が垣間見えるコメントを残したビニャーレス。予選フロントロウの獲得から、初戦ウイナーを目指す。

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