【新型コロナ】異例の夏、海岸ルール本格始動 マリンスポーツ自粛区域も

水難者の救護訓練のため沖合へ向かうドローン=藤沢市の片瀬西浜海岸

 海水浴場が開設されない海岸の秩序維持へ向けた神奈川県藤沢市の「夏期海岸モデル2020」が18日、本格的にスタートした。例年の海水浴場設定区域(片瀬東浜、片瀬西浜・鵠沼、辻堂)を対象に、8月末まで市が独自にライフセーバーを配置。マリンスポーツの自粛エリアを設定し、飲酒制限やバーベキューを禁止するなど、「異例の夏」の海の安全確保に万全を期す。

 同日午前には、同市や県ライフセービング協会、同市サーフィン協会などの関係者約60人が片瀬西浜海岸に集結。鈴木恒夫市長が「先人が培ってきた海のルール、秩序を時代へつなげるため、今夏の取り組みは重要になる」と呼び掛けた。

 同海岸では同市の発案でドローンを活用した全国初の水難救助に取り組むことから、沖合に流された入水者を捜索、救助する訓練を実施した。海上に飛び立ったドローンから海中で大きく膨らむ環状の浮き具を投入。ライフセーバーが救助ボードで向かい、浮き具につかまった水難者を抱きかかえ海岸まで先導した。

 また、同日から同海岸などを対象にマリンスポーツの自粛エリアと可能エリアに区分。エリアを明示するフラッグが設置され、地元で本格的に活動しているサーファーが海上に出動し、自粛エリア内にいたサーファーに可能エリアへ移動するよう協力を求めた。

 同市サーフィン協会の佐賀和樹会長は「サーファーたちはルール順守に整然と応じていた。藤沢モデルに込められた、海に関わる多くの人々の思いが通じたのだと思う」と話した。

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