ホンダF1田辺TD予選後会見:メルセデス 、レーシングポイント、フェラーリの後塵を拝した受け入れ難い「ショッキングな差」【F1第3戦土曜】

 1年前にはマックス・フェルスタッペンが自身のキャリア初ポールポジションを獲得したハンガロリンク。しかし今回はメルセデスの2台はもちろん、レーシングポイント、そしてフェラーリの後塵を拝して、7番手が精いっぱいだった。

 さらにアレクサンダー・アルボンは遅いクルマに引っかかったこともあったとはいえ、Q2落ちを喫した。そんな予選結果について田辺豊治テクニカルディレクターは「ショッキングな結果」と表現した。

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──厳しい予選になってしまいました。田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):かなり厳しい結果でした。レッドブル側は初日からクルマが決まっていないということで、走行データを解析し、いろいろな作業をして二日目に臨んだのですが、速さに欠けました。

 一方、アルファタウリはピエール・ガスリーがQ3まで進出したのはよかったのですが、Q2の最後にパワーユニットにデータ異常が見られた。それでQ3の走行は取りやめました。

 すでにマシンがパルクフェルメに入っていることもあり、リスクを最大限に排除することを考えて、レース前にパワーユニットを交換することを決めました。

2020年F1第3戦ハンガリーGP ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)パワーユニットに異常が見られレース前に交換予定。

──初日のガスリーのトラブルとの関連は?田辺TD:因果関係はこれから詳しく見ます。ただFP1で問題が出ましたが、その後のFP2、FP3はロングラン含めて問題なく走っている。それが予選になって突然出た。その理由も含めて、根本的な解決に結びつけたいと思っています。

──ガスリーはQ1から問題を訴えていたようですが、具体的にどんな症状だったのですか?田辺TD:「調子が悪くなった」と。ドライバーは「エンジンがカットオフする感じだ」とコメントしていました。

──フェルスタッペンもQ2で「エンジンをチェックしてくれ」と言っています。その後は普通に走っていましたが。田辺TD:問題はなかったです。

──「リスクを最大限に排除するためにパワーユニットを交換する」ということからすると、パワーユニット自体はダメージを受けていない?田辺TD:マシンがパルクフェルメに入っているので直接のチェックはまだできていませんが、ダメージが出たというデータは出ていません。パワーユニット本体への損傷はないと考えています。

──エンジンのカットオフはエンジン自体のトラブルだったのか。あるいは電気系の問題などで出力を抑える形になっていたのでしょうか?田辺TD:異常の結果としてそういう症状が出た、ということですね。

──このサーキットは最大パワーよりもドライバビリティが重視されるコースですが、その観点で今日の予選はどうでしたか。田辺TD:フェルスタッペンは予選に入ってから少しエンジンの付きが悪いと言っていましたが、対応してからは特にパワーユニットへの不満は出ませんでした。100点かと言われるとそうではないですが、最終的にはきちんと収められたと思っています。

──ドライ路面での相対的なパフォーマンス差について、田辺TDはどう感じてますか。想定外だったのか、ショッキングな結果だったのか。田辺TD:このサーキットでのパフォーマンス差ということで言えば、予選結果がすべてを物語っていると思います。その意味ではなんて言いましょうか……。そのまま言葉を借りればショッキングでしたね。

2020年F1第3戦ハンガリーGP アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
2020年F1第3戦ハンガリーGP ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)

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