中尾城公園・スパイラルスライダー 長与町長「利用再開の可能性低い」 負傷者が相次ぎ利用中止の大型滑り台

利用休止が続いているスパイラルスライダー=長与町、中尾城公園

 西彼長与町は18日までに、同町の中尾城公園にある遊具で、負傷者が相次いだため5年前から利用を中止している大型滑り台「スパイラルスライダー」について、利用再開の可能性は低いとの見方を明らかにした。吉田愼一町長が取材に答えた。
 スライダーを巡っては、町は昨年9月、定例町議会の一般質問で改修、再開へ向け「(予算上の)めどが立った」「安全性が担保されなければランドマークとして残す」などと答弁。これに対し、複数の議員が安全性を懸念し、撤去の提案をするなど再開に反対している。
 吉田町長は取材に、これまで公園設計業者数社に改修方法などを相談したが「適用できる安全基準がなく、安全性の担保が難しいことが分かってきた」と説明。改修を断念したわけではない、としながらも「確率は非常に低くなった」と話した。断念した場合でも、スライダーは残す方針。
 同公園(約9ヘクタール)は「ふるさと創生事業」の1億円を基金に1994年9月オープンした。施設整備も含めた総事業費は約33億円。スライダーは橋の橋脚部分を2回転して滑り降り、高低差は26メートル。出口付近で速度が出過ぎて、子どものけがが続いた。2015年7月、11歳の男児が左脚を骨折して以降、使用を中止している。

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