埼玉トヨペットGreen Braveが初優勝。GT300もGRスープラがデビューウインを飾る。【第1戦富士決勝】

 2020年スーパーGT開幕戦は7月19日、富士スピードウェイで66周の決勝レースが行われ、GT300クラスは4番手からスタートしたSAITAMATOYOPET GB GR Supra GTがデビューウインを果たした。

 公式練習が行われた昨日とかわり、霧が晴れ、太陽が顔をのぞかせた富士スピードウェイ。気温26度、路面温度39度、湿度58%というコンディションのなか、66周の決勝レースがスタートした。

 ポールスタートとなったLEON PYRAMID AMGのスタートを任されたのは、フル参戦初年度を迎えた菅波冬悟。大役を任された菅波だったが1周目の1コーナーでGAINER TANAX GT-Rの安田裕信にかわされポジションを落としてしまう。

 直後、GT500クラスのアクシデントにより2周目にセーフティカーが導入された。

 6周目にレースが再開されると、今回がスーパーGTデビュー戦となったSAITAMATOYOPET GB GR Supra GTの川合孝汰が、シンティアム・アップル・ロータスの加藤寛規を交わし3番手に浮上。

 そんな中、10周目にJLOC勢の88号車 JLOC ランボルギーニ GT3の左リヤタイヤ、そして88号車のT-DASH ランボルギーニ GT3の右リヤタイヤが同じ周回でトラブルに見舞われ、JLOC勢は2台とも順位を大きく落としてしまった。

 トップ3台は0.7秒差という接戦を続ける中、SUBARU BRZ R&D SPORTの山内英輝、マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号の平木湧也が続く。

 上位3台は接近戦を続けるなか、18周目の1コーナーでLEON PYRAMID AMGの菅波がメルセデスAMGのストレートの速さを活かし、安田のインからオーバーテイク。首位を取り戻した。ポジションを落とした安田は続いてダンロップコーナーで川合にもかわされ、ポジションを3番手まで落としてしまう。

 22番手スタートからポジションを12も上げ、10位を走っていたARTA NSX GT3の高木真一だったが、リスタート違反によるドライブスルーペナルティを与えられ、順位を34番手まで落とした。

 レースの3分の1を超えた24周目、上位勢の中で真っ先にピットに入ったのはGAINER TANAX GT-R。

 続いて27周目にLEON PYRAMID AMGが最初のピットイン。蒲生尚弥にドライバーチェンジし、左側タイヤ2本交換という作戦に出たが、ここで左リヤタイヤが外れずないというアクシデントが発生し、大きくタイムロス。これでLEON PYRAMID AMGはGAINER TANAX GT-Rの平中克幸に先行を許してしまう。

 対するSAITAMATOYOPET GB GR Supra GTは33周目にピットイン。吉田広樹に交代し、タイヤ無交換作戦を敢行。これにより、GAINER TANAX GT-Rに対し大きなギャップを築いてポジションをキープした。

 34周目、SUBARU BRZ R&D SPORTがエキゾーストから火が吹き出しながら300Rでスロー走行となり、そのままリタイアとなった。続く35周目には2020年シーズンからポルシェを導入したHOPPY Porscheだったが、左のリヤタイヤのトラブルでスロー走行でピットに戻るなど、トラブルも続く。

 そんななか、37周目にRUNUP RIVAUX GT-RとGT500クラスMOTUL AUTECH GT-Rが13コーナーで接触。コース中央で停車したRUNUP RIVAUX GT-Rは再始動することができず、2度目のセーフティカーが導入されることとなった。

 このセーフティカーにより、ピットストップを遅らせていた7号車Studie BMW M6、30号車TOYOTA GR SPORT PRIUS PHV GT、60号車SYNTIUM LMcorsa RC F GT3がピットクローズドによるあおりを受けてしまう形となった。

 レースは42周目に再開。ピットを送らせていた3台はそのままピットインし、SAITAMATOYOPET GB GR Supra GTがトップ。2秒差でGAINER TANAX GT-Rの平中が続く。3番手坂口の背後にリアライズ 日産自動車大学校 GT-Rのジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが迫る。さらにその背後にはピットで順位を落とした蒲生のLEON PYRAMID AMGが続く。

 レースも残り10周となった56周目、マッハ車検 GTNET MC86 マッハ号の坂口、リアライズ 日産自動車大学校 GT-Rのオリベイラ、LEON PYRAMID AMGの蒲生が3番手争いが加熱。そんななか、蒲生はTANAX ITOCHU ENEX with IMPUL GT-Rの石川京侍にかわされ、ポジションを6番手まで落としてしまう。さらにドライブスルーペナルティでポジションを落としたARTA NSX GT3の大湯都史樹が7番手までポジションを上げ、4位争いに加わった。

 首位をキープするSAITAMATOYOPET GB GR Supra GTの吉田はタイヤ無交換にもかかわらず、2番手平中に3秒以上の差を守る。2度のセーフティカー導入によりタイヤのライフを伸ばすことができたのも要因だろう。

 終盤、5台による3番手争いも加熱。オリベイラが坂口の背後を狙うが、ポジションを守る。今度はオリベイラの背後に石川が迫ったが、最後まで接戦は続いた。

 SAITAMATOYOPET GB GR Supra GTがトップでチェッカーを受け、埼玉トヨペットがスーパーGT初優勝を獲得。また、2020年シーズンから導入したGRスープラ、そして川合孝汰はデビューウインを飾った。

 2位にはGAINER TANAX GT-R、3位はマッハ車検 GTNET MC86 マッハ号、4位にリアライズ 日産自動車大学校 GT-R、5位にANAX ITOCHU ENEX with IMPUL GT-Rが続き、ポールポジションスタートのLEON PYRAMID AMGは6番手という結果に終わった。

 2020年のスーパーGT、シリーズ第2戦となる次戦は8月8~9日に、引き続き富士スピードウェイにて開催される。

2020年スーパーGT第1戦富士決勝 GT300スタート
吉田広樹、川合孝汰(埼玉トヨペット Green Brave)

© 株式会社三栄