FIA-F2第3戦ハンガリー レース2:ギオットがライバルの追撃を振りきり通算6勝目。日本勢最上位は松下

 現地時間7月19日(日)、2020年FIA-F2第3戦ハンガリーのスプリントレース(決勝レース2)がハンガロリンクで開催され、ルカ・ギオット(ハイテックGP)が優勝。日本の松下信治(MPモータースポーツ)は11位、角田裕毅(カーリン)は18位、佐藤万璃音(トライデント)は20位だった。

 フィーチャーレース(決勝レース1)のポールポジションを獲得し、8位に入賞したカラム・アイロット(ユニ・ヴィルトゥオーシ)がレース2でもポールポジションについた。日本人ドライバーは松下が12番手、角田は16番手、佐藤が21番手からのスタートとなる。 

 現地の気温は18.8度、路面温度は24.4度。直前に行われたFIA-F3はウエットタイヤでのレースだったが、F2開始時にはドライタイヤで走行可能なコンディション。ウエットパッチが残る難しいコンディションのなかレースが行われた。規定周回数は28周、ピットインの義務はない。

 ポールのアイロットはミディアムタイヤスタートだが、2番手スタートのルイ・デレトラズ(チャロウズ・レーシング・システム)、3番手スタートのユアン・ダルバラ(カーリン)はソフトタイヤスタートでチャンスを伺う。

 レースはアイロットが昨日に続き完璧なスタートを決めホールショットを奪う。5番グリッドスタートのギオットがポジションを押し上げ2番手、デレトラズが3番手で1周目を終えた。松下は15番手に転落、角田は16番手から様子を伺っていく。

 その角田は2周目に松下をパス、エンジントラブルにより失速したダニエル・ティクトゥム(ダムス)も交わし、14番手にそのポジションを上げてみせた。

 レース序盤、アイロットはファステストラップを連発。2番手のギオットに対し約4秒のギャップをキープしながら逃げていく。

 6周目、レース1で2位表彰台を獲得したニキータ・マゼピン(ハイテックGP)をミック・シューマッハー(プレマ・レーシング)がパスし4番手に浮上。シューマッハーの勢いは止まらず10周目、デレトラズを捉え表彰台圏内に躍り出た。一方のデレトラズはペースが上がらず11周目にはマゼピンにもパスされ5番手に後退してしまう。

 レース序盤の混戦のなかでフロントウイングにダメージを追ってしまった角田に対して、9周目にオレンジディスクが提示されピットインを余儀なくされる。角田はフロントノーズとタイヤを交換し最後尾でレースに復帰した。

 16周目、3番手を走行していたシューマッハーがピットインすると、翌周にはトップのアイロットもピットインしタイヤ交換を行う。この間にギオットがトップに浮上した。

 6番手でコースに復帰したアイロットはその後も順調に周回を重ね、23周目にはタイヤ無交換で走行を続けていたジュリアーノ・アレジ(BWT HWAレースラボ)をパスし2番手に浮上する。ペースの上がらないアレジは24周目、シューマッハー、デレトラズ、シュワルツマン、マゼピンに立て続けにパスされ、7番手まで転落してしまった。

 ミディアムタイヤでスタートし、タイヤ無交換の戦略を採ったギオットは安定した走りをみせトップを快走する。しかし、フレッシュタイヤを履くアイロットはギオットとの差をみるみる詰めていく。

 アイロットはギオットより約5秒早いラップを重ね、24周目の時点でギオットから20秒あったその差を最終ラップには5秒にまで詰めてみせる。

 最終ラップの最終コーナー、アイロットはギオットの背後まで迫るも反撃はここまで。ギオットが0.4秒差を守りきり2020年シーズン初優勝、GP2時代を合わせF2通算6勝目を飾った。

 シューマッハーが3位に入り、昨日のレース1に続き2日連続で表彰台を獲得している。日本勢は松下が11位、角田が18位、万璃音が20位となった。

■FIA-F2 第3戦ハンガリー レース2 暫定リザルト

Pos. No. Driver Team Time/Gap

1 25 L.ギオット ハイテックGP 28Laps

2 4 C.アイロット ユニ・ヴィルトゥオーシ 0.423

3 20 M.シューマッハー プレマ・レーシング 11.762

4 21 R.シュワルツマン プレマ・レーシング 13.818

5 24 N.マゼピン ハイテックGP 15.152

6 11 L.デレトラズ チャロウズ・レーシング・システム 23.451

7 8 J.ダルバラ カーリン 23.831

8 3 周冠宇 ユニ・ヴィルトゥオーシ 32.230

9 5 M.アームストロング ARTグランプリ 34.2775

10 17 G.アレジ BWT HWAレースラボ 39.283

11 14 松下信治 MPモータースポーツ 42.731

12 1 S.ゲラエル ダムス 44.953

13 6 C.ルンガー ARTグランプリ 46.926

14 16 A.マルケロフ BWT HWAレースラボ 51.733

15 12 P.ピケ チャロウズ・レーシング・システム 52.231

16 15 F.ドルゴヴィッチ MPモータースポーツ 55.890

17 22 R.ニッサニー トライデント 1’04.365

18 7 角田裕毅 カーリン 1’13.806

19 9 J.エイトケン カンポス・レーシング 1’15.656

20 23 佐藤万璃音 トライデント 1’23.059

21 10 G.サマイア カンポス・レーシング 1Lap

22 2 D.ティクトゥム ダムス DNF

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