瀬戸石ダム、周辺には流木と砂 熊本豪雨、爪痕すさまじく

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球磨川右岸の国道219号に堆積した流木やがれき。奥は瀬戸石ダム=19日午後1時30分ごろ、球磨村(小野宏明)
接ぎ目にずれが生じた瀬戸石ダムの管理用道路。道路上やダム本体との間には流木がたまっていた=19日午後1時10分ごろ、芦北町(小野宏明)
4日の豪雨に伴い、ゲートが全開状態になっている瀬戸石ダム。球磨川の増水であふれた流木などが国道219号(左)を覆い、土砂崩れも起きていた=17日、芦北町・球磨村(池田祐介、小型無人機で撮影)

 熊本県南部を中心に襲った豪雨で、球磨川中流にある電源開発(Jパワー、東京)が管理する瀬戸石ダム(芦北町、球磨村)の、ダム本体上部に設置されている管理用道路が複数箇所の接ぎ目で最大約50センチ横にずれるなどの被害が出ていることが19日、分かった。同社は「ダム本体に異常はない」としている。

 一帯の道路は土砂崩れなどで通行止めが続いており、熊本日日新聞の記者が歩いて現地に入り、状況を確認した。

 同ダムは発電専用のコンクリートダム。上部に両岸をつなぐ全長約100メートル、幅約3メートルの管理用道路がある。この道路の接ぎ目のうち、少なくとも5カ所に約50~10センチの横ずれが生じていた。

 管理用道路の上には複数の流木も残り、球磨川の水が道路の上まで押し寄せたことを物語る。ダム右岸の国道219号には大量の流木が折り重なり、左岸の管理施設の中や周辺には砂も20センチほど堆積していた。

 Jパワー広報室によると、ダムに流れ込む水量の増加が見込まれたため、大雨が降った4日早朝、水量を調整する5枚の昇降式ゲートを全開にし、入ってきた水がそのまま流れる状態にしたという。今もゲートは開けたままで、発電を停止している。

 社員が13日に現地に立ち入り、管理用道路の横ずれを目視で確認した。同社広報室は「管理用道路とダム本体は異なる構造であり、ダム本体の異常は確認されていない」と説明。「ずれた原因を含め、今後、詳細な被害の把握に努める」とした。

 ダムは1958年に運転開始。発電の最大出力は2万キロワット。ダム湖への土砂堆積が洪水を招いていると主張する流域住民らが撤去を求める運動を展開している。(益田大也、山本文子、田中祥三)