アイスを愛す地元民も納得!石川県のご当地アイスを集めてみた

石川県民のアイス好きはいまや全国に知れ渡るところ。日本アイスクリーム協会によると、なんと金沢市では一世帯あたり年間11,887円(2019年度・全国1位)もの金額を、アイスクリームやシャーベットの購入に費やしているそうです。

そんなアイス王国・石川県には、全国に誇るご当地アイスがたくさんあります。

有名店の王道アイスから、食べてびっくりの変わり種アイスまで。石川の味覚が詰まった地元食材アイスを食べ比べてみました。

マルガージェラート「金澤スイートポテト」

金澤スイートポテト 346円

まずは、奥能登・能登町の酪農家をルーツにもつ『マルガージェラート』から。国内外の数々のジェラート大会で受賞歴を誇るいわずと知れた名店です。

社長の柴野大造さんは〈情熱大陸〉にも出演するなど、その知名度はもはや全国区。奥能登の生乳と多彩な食材を組み合わせ、味覚、視覚、嗅覚などの五感に訴えかけるジェラートを世に送り出しています。

数あるフレーバーの中から今回ピックアップしたのは、ジェラートながらホクホクした食感が楽しめる〈金澤スイーツ〉。でんぷん含量は多いけど繊維は少なく、さらには糖度も高いというそのまま焼き芋にしても美味しいお芋さんが使われています。

蒸し器で十分にふかしたスイートポテトを生乳と合わせた自慢の製法で後味すっきり。甘ったるくないので、最後まで美味しくいただけます。

チェルキオ「能登ブルーベリー」

能登ブルーベリー 287円

能登地方の中心都市、七尾市の駅近くに店を構える『チェルキオ』も、地元では知られた存在。能登の酪農家が生産した生乳のみを使ったジェラートが自慢のお店です。

なんといっても魅力的なのは、能登の旬の素材をふんだんに使った多彩なフレーバーが、手頃な価格で味わえるところ。先ほどの『マルガージェラート』と同じく、パッケージされたものが金沢市内のスーパーでも売られています。

ふんわりとした舌触りとコクのある、生乳たっぷりのジェラートが絶品。能登の名産であるブルーベリーの味わいもしっかりと感じられます。

金沢五彩アイスポップ「加賀棒茶&能登大納言羊羹」

加賀棒茶&能登大納言羊羹 561円

こちらは石川県で銭湯を経営する会社が開発したアイスポップ。非加熱殺菌によって新鮮な野菜と果物の栄養素をキープ。添加物は使わず、自然甘味料で甘みを加えるなど、お風呂屋さんらしく健康のことを第一に考えて作られています。

現在は〈ぽかぽか御経塚の湯〉と〈諸江湯〉内に併設するコンセプトショップ『poca poca』での取り扱いのほか、オンラインショップでも詰め合わせが販売されています。

編集部のおすすめは、江戸時代から伝わる〈加賀棒茶〉と、高級和菓子の材料にも使われる〈能登大納言あずき〉をペアリングしたこちらのアイスポップ。羊かんの上品な甘さと棒茶の香ばしい風味がマッチした大人の味わい。カチカチではなく柔らかめに仕上げられているので、原材料がもつ本来の風味をより感じることができます。

四十萬谷本舗「加賀金城漬 花きんじょ」ほか

加賀金城漬 花きんじょ 388円

創業明治8年。かぶら寿司で有名な金沢の老舗漬物店『四十萬谷本舗』のジェラートも、人気のご当地アイスのひとつ。粕漬けや金城味噌といった、漬物屋ならではのオリジナルなフレーバーの虜になる人が続出。マルガージェラートとの共同開発なので味の方も保証つきです。

金城漬(大根、茄子、胡瓜、生姜)を細かく刻んだ〈花きんじょ〉。粒々の食感と、ほんのり香る生姜の香りが楽しめます。一風変わった味ですが、口に運ぶごとにクセになっていつのまにかなくなる。そんな奥深さがあります。

片瓜粕漬 388円

こちらは加賀の伝統野菜〈片瓜〉を使ったジェラート。加賀の銘酒〈手取川 大吟醸〉の酒粕がほんのり香る、和風のラムレーズンのような大人の味わいが楽しめます。

このほかにも野菜ソムリエのいる『四十萬谷本舗』では、五郎島金時や味平かぼちゃなど、金沢の伝統野菜を生かしたアイスも販売しています。

牛乳村夢番地「剣崎なんば」

剣崎なんば 320円

最後は、白山市にある『牛乳村夢番地』のアイスをご紹介。以前、当サイトでも紹介したことのある、低温殺菌牛乳〈おまっと牛乳〉で知られるあのお店です。

○ 牛乳村の村長さんにアイスクリームとジェラートの違いを聞いてみた

ピックアップしたのは、白山市の剣崎地区でのみ生産される幻のトウガラシ〈剣崎なんば〉を使ったアイス。このトウガラシは超激辛ながらほんのとした甘さとコクがあって、全国の料理人から注目を集めている食材でもあります。

○ 「手がかかるほど可愛い」幻の唐辛子を後世に伝える農家の想い

実際に食べてみるとピリッとした辛さは感じるものの、おまっと牛乳の甘みが口の中に広がって悶絶するまでには至らず。いい感じのアクセントになって、最後まで飽きずに食べることができました。やっぱり辛いものと甘いものの相性っていいんですね。

これからますますアイスが恋しくなる季節。ご当地アイスで、愛すべき故郷の味に浸ってみてはいかがでしょうか。

(文/吉岡大輔、撮影/林 賢一郎)

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