美味しい和歌山イタリアへ・貝谷郁子さんと業者が現地で試食会

イタリアの食文化に詳しい和歌山県出身の料理研究家・貝谷郁子(かいたに・いくこ)さんが、和歌山産の農産物や調味料をイタリアの料理に活かそうと、このほど県内メーカーの代表らとイタリア南部のシチリアを訪れ、試食会を開催しました。

試食会の報告のもよう(7月20日・海南市・中野BC株式会社)

貝谷さんは、シチリアがアラブ文化の影響を受け、砂糖を使った甘酸っぱい味付けを行っていることや、柑橘類が特産であることなどが和歌山産の食材と親和性が高いことに注目し、和歌山産の食材や調味料を使った試食会を企画しました。  

貝谷さんは、ことし(2020年)2月下旬、日本酒や醸造酢のメーカーや、南高梅(なんこううめ)や有田(ありだ)みかん、ぶどう山椒の農園など県内6社の代表とともにシチリアを訪問し、現地のメディアや食品関連業者らおよそ50人を招いて試食会を開きました。

梅ペーストを和えたいわしソテーのマリネ

この中で、梅のペーストとオリーブオイルで味付けしたいわしソテーのマリネや、みかんやすだちの果汁と青山椒の粉末、湯浅醤油で味付けしたパスタサラダ、それに梅酒やジェラートなどが振る舞われ、現地のメディアからは、味わいのまろやかさや繊細さ、食感などに高い評価を得たということです。    また一行は、オリーブやオレンジを栽培する農園を視察し、無農薬栽培による六次産業化が広く浸透している様子にも刺激を受けたということです。

貝谷さん(前列右)と参加した業者ら

企画した貝谷さんは「シチリアの食文化に和歌山の食材が高く評価された。相手の食文化に溶け込ませる訴求を発見できたのではないか」と手応えを語りました。今回参加した早和(そうわ)果樹園の大浦靖生(おおうら・やすお)取締役常務は「日本産食材の価格の高さとともに、シチリアの無農薬栽培へのこだわりの強さが今後の課題だと感じた」と話しています。

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