【新型コロナ】遊泳自粛…でもサーファーや水遊び客 万一沖へ流されたら

例年より少なめながらもサーファーらの姿が見られた=20日午後、湯河原海水浴場

 新型コロナウイルスの影響で今夏の神奈川県内全海水浴場の開設が中止となったが、各海水浴場や海岸では例年より少ないながらも、サーファーや遊泳客の姿が見られる。三浦半島や湘南・西湘地域の沿岸を管轄する横須賀海上保安部は「人の目が減ればリスクも増える。ルールを守って安全な利用を」と呼び掛けている。

 県は各自治体と協力し、砂浜などに遊泳自粛を呼び掛ける看板を設置。同保安部は「禁止ではなくあくまで自粛要請なので、利用客は一定数訪れるはず」と話す。晴天となった20日、湯河原海水浴場(湯河原町吉浜)では、サーファーや波打ち際で水遊びを楽しむ家族連れの姿が見られた。

 同保安部は「いつもより人が少ない場合、危険なエリアまでつい行き過ぎてしまうことも考えられる」と指摘、離岸流による水難事故などを警戒する。万が一、流された場合は「無理に岸へ向かおうとせず、海岸線に平行に泳いで救助を待って」と説明する。

 同海水浴場の沖合では6月、サーファーの男性(55)が溺れ、死亡する事故も発生した。同保安部は「溺水事故のほか、転倒し、海底で頭を打つケースもある」と説明。事故を防ぐため、事前に気象を確認することや、前日は睡眠をしっかり取り飲酒は避けることなどを心掛けてほしいとする。「経験者でも久しぶりに海に入る際は、自分の力を過信しないように」と訴えている。

 県と同町は今月上旬から、同海水浴場の監視や海岸清掃を兼ねた「ビーチパトロール」を湯河原ライフセービングクラブに委託。例年より監視の人数は減るものの、事故防止に取り組んでいる。同クラブの青木将展理事(34)は「海岸を利用する場合は、どうすれば安全に過ごせるか、利用者もよく考えてほしい」と話している。

© 株式会社神奈川新聞社