ゆりやんレトリィバアが参戦!! 全米人気の公開オーディション番組「アメリカズ・ゴット・タレント」

世界中からありとあらゆる才能の持ち主が集まり、賞金100万ドルを目指して、パフォーマンスで競い合うオーディション番組「アメリカズ・ゴット・タレント」のシーズン14が、8月2日からFOXチャンネルで放送される。

歌やダンス、手品や仮装まで、さまざまな一芸を携えた参加者をジャッジするのは、辛口で知られるサイモン・コーウェルを中心とした審査員たち。白熱のステージはもちろん、“タレントたち”と審査員のやりとりも見どころの一つとなっている。

そして、日本からは、人気ピン芸人のゆりやんレトリィバァが参戦。持ち前の英語力でサイモンたちと渡り合い、ユニークな衣装で渾身(こんしん)のパフォーマンスを繰り広げる。今回は、放送に合わせて、ゆりやんが自身のステージを振り返るとともに、番組の魅力や見どころを語った。

海外で知らない人に名前を呼んでもらえて、すごくうれしかった

── まずは「アメリカズ・ゴット・タレント」に挑戦しようと思ったきっかけを教えてください。

「もともと芸人になる前から海外への憧れがあって、アメリカに行って働くか、芸人になるか迷っていたんですね。芸人になってからも、よく海外に行きたいと言っていたんです。ずっと何か行動しなくちゃと思っていた時に、ちょうど『アメリカズ・ゴット・タレント』の出場受付が始まっていることを知って、急いでエントリーしました」

── 今までも、日本からさまざまなパフォーマーの方々が出演していますが、調べたりしましたか?

「これまで、そんなに意識したことはないんですけど、自分が出るにあたって調べてみて、やっぱり皆さんすごいんやなと感じました。事務所の先輩にもピースの綾部祐二さんや、渡辺直美さんなど、道を切り開いてくださっている方がいて、海外に行きたいって言っている私が何もしないのは嫌やったんです」

── オーディションでは、星条旗のきわどい水着と角刈りのカツラを着用してダンスを披露されました。あのネタを選んだ理由は?

「実は、最初はピアノのネタでエントリーしたんです。でも、私のピアノネタってコントっぽくて、説明しても海外の人には、たぶんよう分からんやろなと思って、今回のネタに変えました。星条旗の水着とカツラのネタは、日本でもやっていて、私自身がすごく楽しかったんですね。これなら言葉もいらんし、何やっているかは一目で分かる。オーディションの時も、現場で着替えたら、ほかの出場者の皆さんが『一緒に写真撮って』とか言ってくださって、スタッフさんも『何、あの人?』って注目してくださって。やっぱり、意味不明なものは世界共通で意味不明なんやなって(笑)。でも、この水着は普通にめちゃくちゃオシャレなお店で買ったんですけどね」

── パフォーマンス後の、現地の反応はいかがでしたか?

「驚いたのは、ニューヨークのオーディション会場の外に出た時に、観客の方から『レトリィーバァー、レトリィーバァー!』って名前を呼ばれたんですね。うわ~、海外で知らない人に名前を呼んでもらえた~って、すごくうれしかったです。オーディションに参加したのは2019年6月だったんですけど、その2、3カ月後にもNYを訪れていて、その時にも全然知らない男性の方に『すいません、もしかして『アメリカズ・ゴット・タレント』に出てませんでしたか?』って声をかけられたんです。普通の格好をしていたのに。これは、すごい番組に出てしまったぞ、と強く実感しました(笑)」

── 日本でもゆりやんさんの活躍は大きな話題になりました。

「大勢の芸人さんが『やったな!』『すごいな~!』と褒めてくださったし、『合成かと思ったわ』とか言ってもらえたのもうれしかったですね(笑)。今年の頭にスタンダップ・コメディーに挑戦しようとロサンゼルスに行ったんですけど、偶然、レストランで小栗旬さんにお会いして、初対面なのに、一緒にお食事させていただいたんです。その時に、『アメリカの見ましたよ。すごいと思って、なんか好きになりました』とおっしゃっていただいたのは、特にうれしかったです。小栗さんに見てもらえたんや~って(笑)」

── ご自身が出演している場面以外の見どころを教えてください。

「全方面に気を使っていると言われたらそれまでなんですけど、出演者全員を見てほしいですね。びっくりするようなパフォーマンスをする人もいるし、よくあるネタでも、見せ方を変えて魅了する人もいる。芸人としてすごく勉強になりました。さすが世界やなって。審査員の皆さんも、みんなで番組を盛り上げていて、これこそエンターテインメントですよね」

── 魅力あふれる番組ということですね。

「ジャンルも年齢も国籍も関係なく出られるところも大きな魅力だと思います。番組を見ていると、才能って、限られた人だけが持っているわけじゃなくて、全員にあるんやなって思いますね。誰でも出るチャンスがあるし、そういう人たちの人生が変わる瞬間を見ることができる。すごい夢のような番組ですよね」

「NY」や「LA」をネイティブに近い発音で織り交ぜるなど、活字では伝わらない小ネタを交えながら、和やかな雰囲気で進行したインタビュー。「アメリカズ・ゴット・タレント」やスタンダップ・コメディーなど、海外への挑戦を熱く語りつつも、物腰はとことん柔らかで、最後は全員にあいさつをして回るなど、“気遣いの人”という印象を受けた。触れ合った誰もがゆりやんを応援したくなるはず。

【プロフィール】

ゆりやんレトリィバァ
1990年11月1日生まれ。奈良県出身。大学4年生の時、大阪NSCに35期生として入学。ピアノや英語、ダンスなどを交えたネタを得意とする。2017年には、第47回「NHK上方漫才コンテスト」と「女芸人No.1決定戦 THE W」で優勝。現在は、「チルテレ」(BS日テレ)、「なるほどプレゼンター!花咲かタイムズ」(中部日本放送)などにレギュラー出演中。

【番組情報】

「アメリカズ・ゴット・タレント」シーズン14
8月2日スタート
FOXチャンネル
日曜 午後9:00~10:30ほか(字幕・全23回)

全米人気の公開オーディション番組のシーズン14。歌やダンスの正統派から、手品や仮装、一発芸など度肝を抜く変り種パフォーマンスまで、 ありとあらゆる“才能”が集結して、賞金100万ドルをかけて競い合う。

取材・文/山口智弘

© 株式会社東京ニュース通信社