大動脈復活へ試運転  熊本地震からの復旧を車窓に… 豊肥線、8月開通

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熊本地震から4年3カ月がたち、肥後大津-阿蘇間で試運転があったJR豊肥線。左奥は復旧工事がほぼ終わった立野の大規模崩落現場=21日午後2時50分ごろ、南阿蘇村(高見伸)
JR豊肥線の車窓から見えた南阿蘇村の新阿蘇大橋の建設現場。奥は長陽大橋=21日午後、同村
立野駅-赤水駅間の車窓から見えた南阿蘇村の阿蘇大橋の崩落現場=21日午後、同村

 JR九州は21日、熊本地震で被災した豊肥線の肥後大津(熊本県大津町)-阿蘇(阿蘇市)間で試運転を実施した。8月8日に4年4カ月ぶりに全線開通するのを前に、報道向けの試乗会も兼ねてあった。

 同社によると、不通区間は27・3キロ。地震の本震とその後の大雨で線路沿いで被害が多発し、ほぼ元の線路に沿って復旧した。22日~8月7日には、運転士の訓練運転をする。

 試運転のディーゼル車は、肥後大津駅を阿蘇駅に向けて出発。立野駅を過ぎ、急勾配な斜面をスイッチバックでジグザグに上ると、右手には来年3月の開通を目指して急ピッチで工事が進む新阿蘇大橋があった。

 赤水駅に向かう途中の黒川の対岸には崩落した阿蘇大橋の残骸が見え、震災の大きさを物語る。阿蘇谷に入ると一転して田園風景。阿蘇五岳や北外輪山の優美な風景も広がり、熊本都市圏と阿蘇地域とを結ぶ大動脈の復活が間近に迫ったことに胸が高まった。

 同社によると、同区間では運行再開後、地震前とほぼ同じ本数を運転。平日の普通列車は上下計30本に戻る。代行バスの所要時間は1時間以上だったのに対し、特急列車は40分前後、普通列車も1時間以内となる。

 この日、列車を運転した熊本乗務センターの市原昌之主任運転士(44)は「地震で大きな被害を受けた立野-赤水間の景色は変わり、線路をかみしめるように走った。準備を怠らず開通の日を迎えたい」と話した。(東誉晃、宮崎達也)