ピンク・メルセデスが合法なら、2021年のアルファタウリは『ホワイト・レッドブル』に?

「ピンク・メルセデス」と揶揄されながらも、トップチームに伍する速さを発揮している2020年のレーシングポイントF1マシン。ハンガリーGP予選ではフェラーリやレッドブルを抑えて、メルセデスに次ぐ2列目グリッドを独占した。そこまで露骨なコピーが許されるのなら、アルファタウリは2020年のレッドブルマシンを基に、来季の開発を進めるようだ。

 レーシングポイントのRP20に関しては、現在FIAが合法性を審査しているところだ。そしてライバルチームの抗議にもかかわらず、最終的に「お咎めなし」の裁定が出るのではという見方が強い。そうなった場合、いわゆるワークスチームと彼らの傘下にあるチームとの関係が、劇的に変わりそうだ。

2020年F1第3戦ハンガリーGP セルジオ・ペレス(レーシングポイント)

 その可能性を、いつもながらの皮肉たっぷりの口調で語るのは、レッドブルのモータースポーツアドバイザー、ヘルムート・マルコ博士である。

「FIAが適切な判断をしてくれると、私は信じている。しかし万一合法ということになったら、我々もアルファタウリに対して同じことをするつもりだ。ひょっとすると来季のグリッドには4台のメルセデスと4台のレッドブル、そして6台のフェラーリが並ぶことになるかもしれない」

「レーシングポイントのやり方を、われわれは徹底的にフォローするよ。参考にするマシンをあらゆる角度から撮影し、それを基に同じパーツを製作する。戦闘力が上がるだけでなく、開発費も大幅に節約できる」

「しかしそんな露骨な模倣は、数年前に禁止されたはずなんだ。2008年のトロロッソは、確かに前年のレッドブルにうりふたつだった。その年のモンツァでセバスチャン・ベッテルが初優勝を遂げたのも、まあそのおかげと言っていい。そしてライバルチームから、不満が噴出したわけでね」

© 株式会社三栄