模型電車も出発進行 箱根湯本駅前の商店街、登山鉄道再開で企画

商店街のアーケードを走行する模型電車=箱根町湯本

 箱根登山鉄道が23日に全線で運転を再開するのに合わせ、箱根湯本駅前の商店街で23~26日の4日間、同鉄道の「モハ2形」の模型電車を走らせる取り組みが行われる。

 模型電車が走行するのは、同商店街の物産店「まるきや」前のアーケード。普段は広告などを掲示している天井の枠組みを活用し、全周約40メートルのレールを設置した。塔ノ沢─大平台間の早川橋梁をイメージした橋を10カ所に配置し、模型が橋を渡る際は車体が揺れるなど同鉄道の特徴を再現している。

 取り組みは、同鉄道が昨秋の台風19号で被害を受け、小田原箱根商工会議所と地元有志が発足した「はこねすきプロジェクト」の一環。全線再開を盛り上げようと、地元の「吉田材木店」が木製レールを制作した。

 22日の「試運転」では、頭上を軽快に走る模型を、家族連れらが見上げ、指をさす様子も見られた。企画の中心を担った飲食店「喜之助」の菊川鉄也代表(42)は「多くの人が箱根を訪れ、町内全体を回って観光を楽しんでくれたら」と期待している。

 また同プロジェクトは、町内に咲いていたアジサイ約50本を花瓶に生け、同駅の改札口に設置し、観光客を迎えている。

 模型電車の運行は、午前10時から午後5時まで。

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