「パラスポーツをもっとエンタメに!」“盲目の漫談家”濱田祐太郎と学ぶパラスポーツのいろは

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4月から月1回放送されているラジオ関西のプログラム【濱田祐太郎のひょうごユニバーサル通信】。4回目の放送が7月20日(月)にラジオ番組『PUSH!』の中で行われた。

このプログラムでは、2018年の「R-1ぐらんぷり」王者で、「ひょうごユニバーサル大使」でもある“盲目の漫談家”濱田祐太郎さんが、「ユニバーサル社会」の重要性ついて発信している。「ユニバーサル社会」とは年齢・性別・障がいの有無や、言語・文化などの違いに関わりなく、すべての人が地域社会の一員として尊重される社会のこと。

この日のテーマは【パラスポーツ】。ゲストに、公益財団法人兵庫県障害者スポーツ協会障害者スポーツ専門員の増田和茂さんを迎えて“パラスポーツのいろは”を聞いた。

濱田祐太郎さん(左から2番目)と、公益財団法人兵庫県障害者スポーツ協会障害者スポーツ専門員の増田和茂さん(左から3番目)

濱田さんのマネージャーさんが思わず「湘南のギャル男ぐらい日焼けしている」と漏らしてしまうほど、日に焼けた筋肉質の腕が印象的な増田さんは、現在68歳! その若々しさにも驚きだが、学生時代からおよそ50年間、障がい者スポーツに関わってきたという、まさにパラスポーツのエキスパートだ。

そんな増田さんに“パラスポーツの定義”をうかがうと、「障がいを持っている人のスポーツはすべてパラスポーツ」とのこと。

ただ、パラスポーツの祭典である「パラリンピック」の“パラ”は、もともと、『パラプレジア(脊髄損傷)』を意味し、脊髄損傷による車いす使用者の国際スポーツ大会を「パラリンピック」と呼んでいたそうだ。ほぼすべての障がい者スポーツが対象となる「現代パラリンピック」の“パラ”は『パラレル=平行・並行』を意味し、一般のオリンピックと並行、同等であるということを意味している。

本来であれば今年開催されるはずだった、2020東京パラリンピック。数多くの種目があるなか、濱田さんが気になっているのは「車いすラグビー」。周りのスポーツ好きがこぞって「車いすラグビーは面白い」と話しているそうだ。

この「車いすラグビー」について増田さんにうかがうと、「用具の車いすは選手が自腹で購入する。その金額は100万円ぐらい。車いすマラソンのレース用車いすは最高で300万円」という驚きの答えが返ってきた。選手たちは誰かのお下がりなどを使いながら競技をはじめ、コツコツとお金をためながら競技用の道具を買いそろえるという。スタジオ出演陣は助成金が出ないというパラスポーツ界の厳しい環境に衝撃を受けた。

増田さんが持参したパラスポーツの道具。ゴールボールとブラインドサッカーの試合球はどちらも中から音がする。目が見えない状況でもボールの行方を音で判断するためだ。もう1つの道具は冬のパラスポーツで活用。リングの部分に腕を通し、スキーのストックの代わりとして使うという。

普段は身近に感じることが少ないであろう「パラスポーツ」だが、日本では来年、再来年と「パラリンピック」以外にも大きな大会が続く。来年は「ワールドマスターズゲームズ2021関西」が、再来年には「神戸2022世界パラ陸上競技選手権大会」が予定されている。

増田さんいわく「昨年、パラ陸上100メートルで全盲の選手が10秒台の世界記録を出した。人間の可能性とは何だろうと考える」とのこと。そんなパラスポーツ選手を支える増田さんは、パラスポーツの指導者や選手の育成のほか、出前授業で子どもたちにパラスポーツを知ってもらうなどの活動を続けている。

増田さんの話を受け、濱田さんは今後の「パラスポーツ」について、「もっとエンターテインメントに振り切っても良いのではないか。車いすマラソンにエンジンを付けたり、幅跳びの義足に強力なバネを付けたり……」とユーモアを添えてコメントしたが、この“エンタメとしてのパラスポーツ”は今後のユニバーサル社会に必要なことかもしれない。「障がいを持っている人が頑張っている姿を見て感動するという時代から、純粋なスポーツとしての感動、面白さ、興奮を楽しむ時代へ」。これからどのようにパラスポーツを伝えていくのか、増田さんの今後にも期待したい。

カップケーキ

番組後半は障がいを持っている方が作った授産品を紹介するコーナー。この日は、兵庫県と兵庫県中小企業団体中央会が、障がいを持つ方が製造する商品の品質向上・一般市場流通化を目指し、「兵庫ブランド」の商品づくりに取り組んだ『Japanese SAKE cake“cup style”』を紹介した。

兵庫県内の「障害福祉事業所」、「剣菱酒造株式会社」、「お菓子メーカー」、「企画・ブランディング会社」の4つの団体がコラボして生まれた商品で、ほのかに漂う日本酒の香りがアクセントになった大人のカップケーキ。

濱田さんはあまりのおいしさに、ちゃんと感想を言う前に一瞬で完食。それに皆が驚きすぎて、濱田さんが完食後に用意していたボケが不発に終わるという一幕も。

今後はどんな試食ができるのか、濱田さんは密かに楽しみにしているようだ。

【濱田祐太郎のひょうごユニバーサル通信】次回は8月24日(月)『PUSH!』の中で、午後3時台にオンエアされる予定。

※ラジオ関西『PUSH!』2020年7月20日放送回より