「何とか最後まで」 コロナ対策入念 入場者リスト管理、座席消毒…長崎県高野連

試合後に客席の消毒作業を行う県高野連のスタッフ=県営ビッグNスタジアム

 新型コロナウイルスの影響で中止された甲子園予選の代替大会として、11日に開幕した今大会。雨天による一部日程変更はあったが、大きな混乱なく3回戦に突入した。ただ開幕以降、長崎県内でも感染者が増え続け、全国の感染者数は日間の過去最多を更新するなど予断を許さない。県高野連は「入念に対策して無事に大会を終わらせたい」と気をもんでいる。

 離島を含めた県内各地の選手や保護者が長崎、佐世保、諫早の3会場に出入りして8月2日まで続く長丁場。各チームは入場者リストを提出し、県高野連が連絡先や行動歴、受付時の体調などを管理する。3会場ともに1日2~3試合の間隔を例年より伸ばし、試合中のスタンドは原則封鎖。試合後、指定した座席を消毒して「密」を避けながら入退場を誘導している。
 大声や鳴り物を使った応援は禁止。この日、長崎市の県営ビッグNスタジアムで長崎西の保護者は“ウエスト”の“W”のシールをマスクに貼ってエールを送り、同点の七回途中で降雨ノーゲームとなった熱戦を見守った。
 対戦校の島原工の保護者会長、北浦秀武さんは「声を出したくなるときもあるけど、スタンドに入れてもらえるだけでもよかった」と感謝した上で「島原でも感染者が出たが、詳細が伝わらないので不安。保護者間でも情報をこまめに確認している」。
 佐世保市総合グラウンド野球場に駆けつけた保護者らも感染予防をしながら、雨による順延決定を受けた。鎮西学院の保護者会長、木戸川孝光さんは「子どもたちもコロナや雨に負けず、頑張っている。保護者が対策をするのも当然。選手にとって小さい頃からの一つの区切り。公式戦開催はありがたい。親としては何とか最後までやらせてほしい」と願う。
 秋には来春の甲子園につながる県大会を控え、続く九州地区大会も長崎で開かれる。県高野連の黒江英樹理事長は「もし何かあれば、秋の開催に黄色信号がともる可能性もある。選手、関係者一丸となって乗り切り、意義深い大会にしたい」と気を引き締め直している。

入場ゲート前で検温を受ける保護者(左)=県営ビッグNスタジアム

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