ウィズコロナ、南米ペルーで日本人が経営する卓球クラブは今(後編)

写真:教え子たちと(渡辺氏、左端)/提供:渡辺拓也

皆さんは、卓球のコーチになるには、現役時代にある程度の戦績を残していないと資格がないと思っていないだろうか。
彼の最高戦績は、高校のときの神奈川県大会2回戦敗退だ。

海外で生活するには、英語力が必要だと思っていないだろうか。
彼はTOEIC300点に満たず、青年海外協力隊の試験に2度落ちた。

じゃあペルーに誰か親戚でも?と思う。
何もない。
3回目でようやく合格した協力隊で、卓球コーチとしての募集がたまたまペルーだっただけの縁だ。
それでも彼は現実に、ペルーの地方都市モケグアで、自身のクラブチームを経営する日本人卓球コーチとして暮らしている。

ペルー生活足掛け8年、クラブ設立から約1年。
U15女子代表選手を彼のクラブから輩出し、順調にクラブが成長し始めた矢先に、コロナウイルスパンデミックがやってきた。

5月、彼は自身の卓球場の閉鎖を決めた。

とりわけ南米は今、感染拡大局面を迎えており、予断を許さない状況が続く。

今、彼はどうしているだろうか。

取材・文:槌谷昭人(ラリーズ編集長)

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