県外の支援団体「頼れる戦力」 熊本豪雨 コロナ、不審訪問警戒も 

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 熊本県南部を中心に襲った豪雨災害の被災地で、県外のNPOやNGO団体などが、がれきの撤去や医療など専門的な支援に貢献している。新型コロナウイルス感染防止対策を徹底した上で、経験を生かして活動する団体がある一方で、感染や不審な団体を警戒する被災者もいる。

 被災者方に一般ボランティアを派遣する各市町村の災害ボランティアセンターは、感染防止対策として県内在住者に限定している。同センターを通さない支援活動は県外在住者でも制限はない。

 県社会福祉協議会によると、既に県外から医療支援や重機作業など複数の専門団体が活動。県社協は「地震や豪雨災害での活動経験が豊富で戦力となる団体は多い。ただ感染防止対策と地元の理解は必須で、誰でも歓迎という状況ではない」と指摘する。

 人吉市を拠点に支援を続ける宮城県の一般社団法人「震災復興支援協会つながり」の代表理事、勝又三成さん(39)は「感染防止対策は徹底した上、自分たちの素性を明らかにし、依頼された家屋でのみ活動している」と強調する。22日までに延べ約130人を派遣。約半数が県外だが、被災地に入る前に抗体検査を受け、作業前の検温も欠かさないという。

 被災した自宅の片付けを頼んだ同市の70代の男性は「豊富な活動経験を聞いて安心した。ボランティアセンターも考えたが、いつになるか分からず、何より手際が良くて助かった」と感謝する。

 一方、球磨村一勝地友尻地区の区長、友〓辰生さん(68)方を14日、県外のボランティアを名乗る男性2人が訪問。「高齢者宅を訪ねている」と言われた友〓さんは、村から不審な団体もいると聞いていたため、支援を辞退した。「ボランティアは必要だが、県外からと聞くと新型コロナも心配だ」と複雑な表情を浮かべた。

 熊本地震以降、災害支援団体間の連携を担うNPO法人「くまもと災害ボランティア団体ネットワーク(KVOAD[ケイボアド])」(熊本市)の樋口務代表理事(59)は「今後、県外団体のニーズは確実に高まる。感染リスクや地元の意向を考慮して、慎重に受け入れや連携を模索したい」としている。(丁将広、米本充宏、堀江利雅)