知る人ぞ知る幻の桃「やしろの桃」 兵庫・加東

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スイカとともに夏を代表する果物、桃。冷えた桃を口いっぱいに頬張ると、あふれ出る果汁と上品な甘さに包まれ、得も言われぬ幸福感に満たされる。

桃は岡山が有名だが、兵庫県加東市でも栽培されているのをご存じだろうか? しかも、「知る人ぞ知る幻の桃」なんて言われたら、がぜん興味がそそられる。

加東市(旧加東群社町)では、山を造成して昭和60年ごろに桃の栽培が始まった。社町で栽培されていたので“やしろの桃”と呼ばれるようになり、そのおいしさが評判となる。

しかし、生産農家が個々に直売をしているので、市場に出荷されることはない。しかも、生産者それぞれにお客さんが付いていて、贈答用はすぐに予約でいっぱいになる。そのため、欲しくても買えないお客さんが“やしろの桃”を探しまわることも珍しくない。また、桃の販売は1か月ほどで終わってしまうため、いつしか“幻の桃”と言われるようになった。

やしろの桃

古跡農園が桃の栽培を始めて、今年で10年目になる。代表の古跡真一さんがこだわるのは、桃にとって最適な環境作り。土壌を分析して適した肥料を使い、土壌全体にミネラルを豊富に含ませる。さらに海藻エキスなどを撒いたり籾殻を分厚く敷き詰めて、温度・湿度を一定に保った柔らかい土にする。そうすることで、真夏でも温度が上がり過ぎず、雨が降らなくても湿度が高く保てる土壌が完成する。土から桃に栄養分が行き届くよう潤った土作り。桃にとって最高な環境作りが、糖度の高いおいしい桃につながると、古跡さんは考えている。

古跡農園では、甲子園のグランドよりも少し広い1.5ヘクタールほどに約600本の桃を栽培している。今年は梅雨が非常に長いため桃の出来具合に不安はあったが、本格的に収穫が始まる頃には雨も上がり、このままいけば平年並みになると予想している。10種類ほどの桃を栽培する古跡農園では、「白鳳」が終盤に入り、「清水白桃」や「まさひめ」、「なつっこ」という品種が食べごろを迎えていく。

先述のとおり、“やしろの桃”は市場に流通しない。サイズや糖度、箱の種類で値段が違うため、古跡農園に行って購入するのが分かりやすいが、電話(0795-42-1069)・FAXで(0795-42-1079)の問い合わせにも応じるとのこと(※平日の午前10時から午後6時)。

また、古跡農園では「桃の甘酒」も販売している。古跡さんが作った有機栽培の山田錦との融合。夏バテ対策にもなる甘酒なので、幻の桃と一緒に購入するのもおすすめしたい。

やしろの桃

※ラジオ関西『田辺眞人のまっこと!ラジオ』2020年7月24日放送回より