五島の「仕事人」をつなげ! 市民有志がウェブサイト 思い投稿、事業連携に期待

ウェブサイト「五島仕事人図鑑」への登録を呼び掛ける古川さん=五島市内

 長崎県五島市民ら有志が、市内で働く人の情報をまとめたウェブサイト「五島仕事人図鑑」を運営している。五島へのU・Iターン者が増える中、新旧の住民がお互いの情報を知る“電話帳”のようなサービスを目指す。無料で仕事内容や思いなどを投稿したり、閲覧したりすることができ、運営チームは島内での交流や事業連携につながることを期待している。
 同市で農業を営む古川嗣歩さん(36)が発案し、サイトの設立や運営には市内外のITエンジニアやデザイナーら3人が協力した。4人は今年2月、島の課題解決につながるITサービスなどを開発する合宿形式のイベント「五島ハッカソン」で知り合い、交流を続けてきた。
 古川さんは「五島には、デザイナーやヨガ講師など手に職を持つ人も増えているけれど、市民がそうした情報を得る手だてが少なく、仕事の依頼もしにくい。新型コロナで島外との行き来が難しい中、島内で『仕事人』の新しい交流やアイデアを生む窓口をつくりたかった」と話す。
 仕事人図鑑は登録者ごとに、事業ジャンルや業務エリア、連絡先、本人写真などの画像、仕事の内容や思いを記した紹介文などを掲載できる。6月上旬のサイト開設後、1カ月余りで約30人の情報を掲載。6500回ほどのアクセスがあったという。
 情報を掲載できるのは市内在住者で、無料の会員登録が必要(閲覧だけなら登録不要)。宣伝や求人なども可能で、掲載内容は何回でも更新できる。無料の登録サポートもある。
 運営チームは将来的に、新上五島町や小値賀町など五島列島全体にも掲載対象を広げることを想定。古川さんは「まずは五島市内で軌道に乗せたい。例えば1次産業とITなどの新しい連携の形が生まれ、島内の『仕事人』の所得向上や魅力アップにつながれば」と目標を語った。
 問い合わせはメール(contact@goto.worker-list.info)で。フェイスブックとインスタグラムの「五島仕事人図鑑」アカウントでも情報を発信している。

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